新型コロナの感染者が2020万人に 感染症との戦いの啓発とは?

 

世界保健機関(WHO)が13日に発表した最新の統計データによると、世界の新型コロナウイルスの感染者が2020万人を突破した。この大きな数字は感染症の猛威、感染症との戦いの難しさを反映している。

百年に一度の大変局と世紀の感染症が重なった。各国の安全、価値、協力、ガバナンスをめぐる観念が洗礼を浴びた。人類の前途と運命は現在の選択と行動によって決まる。

バイオセーフティは人類の生存と発展に関わり、普遍的な安全の実現は時代の呼び声

リチャードホートン氏は世界的に有名な医学誌『ランセット』の編集長だ。ホートン氏は最新の著書『新型コロナの災難:どのような問題が生じたのか、その再発をいかに阻止すべきか』の中で、この感染症について問い詰めた。

問い詰めているのはホートン氏一人ではない。新型コロナはすでに人類全体の試練になっており、人類が集団で「いかに二の舞を回避すべきか、いかに普遍的な安全を実現すべきか」を再考するきっかけになっている。

新型コロナが猛威を振るい、すでに世界で70万人以上が命を落としている。経済生産、社会生活、国際関係、世界構造が衝撃を受けた。警鐘が再び鳴らされた。

生物学者、ノーベル賞受賞者のジョシュアレダーバーグの「人類の優位を脅かす最大の脅威はウイルスである」という言葉は決して大げさではない。

新型コロナにより人類の安全問題が急浮上している。安全の連動性、国を跨ぐ性質もより際立っている。新型コロナは人類と「対話」せず、国、人種、信仰、貧富を分けず攻撃を仕掛ける。感染症はいつでも一国から他国に蔓延しうる。感染症を前にし、自分だけ無事でいられる国はない。各国が共に挑戦を迎え、共に安全を求めることが正しい選択だ。

どのような危機対応であっても、「人最優先」「命最優先」が必要

ロシア下院教育委員会のニコノフ委員長は、今年のこの世紀の感染症は、人類の価値観を巡る物議を醸したと指摘した。

各国は歴史、文化、経済社会の発展水準が異なる。感染症との戦いでさまざまな要素を考慮し、異なる危機対応をすることになる。しかし命は何よりも重い。命を守ることは人類が求める共通の価値であるべきで、人類文明が果たすべき義務でもある。生きる権利、健康権は重要な人権であり、各国の感染症との戦いの根本的な立脚点になるべきで、挑戦に直面した各国が最も重視すべきことでもある。

ところが十分な科学の根拠がないにも関わらず「集団免疫」を唱え、感染のピークに経済活動を再開し、施設内の高齢者を顧みず、治療費を払えない貧困者を門外に拒み、感染拡大のリスクを顧みず選挙活動を展開している国がある。これら一部の国は感染症の試練を迎えながら、政治の利益を最優先し、資本の利益を優先する道を歩んでいる。

その一方、中国を含む多くの国が心を一つにし、家と国を思い、貢献の精神により感染症狙撃戦に参加している。白衣の戦士が流れに逆らい海外に向かい、一致団結と助け合いの精神により他国の患者の治療に協力している。

「人最優先、命最優先で、人々の命の安全と体の健康を守るためすべてを犠牲にできる」中国の感染症と戦う価値観は、ヒューマニズムの輝きを放っている。

パキスタンの学者は「中国の感染対策は迅速で、効果的で、透明性が高く、責任感あふれる。国際社会はその多くを参考にできるが、最も重要な点は人々の命の安全と体の健康を終始最優先していることだ」と述べた。

大国は危機のなか責任感を持ち協力し、団結を感染対策の基調にすべき

WHOのテドロス事務局長は先ほど記者会見で、目に涙をためながら震える声で「対立を捨て、団結し感染症と戦うことはできないのか」と問いかけた。この一幕は人々の胸を打つ。

過去百年を振り返ると、第二次大戦、9.11同時多発テロ、さらには世界的な金融危機に至るまで、人類は協力により難関を乗り切った。危機に打ち勝つため、団結が必要で重要であることは言わずもがなだ。しかし新型コロナの流行後、団結は「不足品」になっており、国際機関でさえ何度も大きな声で呼びかけているほどだ。

一部の大国は有利な科学技術資源及び先進的な医療水準を持つが、感染症の試練への対応は呆れたものとなっている。これは自己中心的で狭隘な考え方のせいだ。国内では感染症を武器とし批判し合い、対外的には防疫物資を押収しワクチン技術を強奪し、さらには勝手に中傷し責任を押し付けている。

ホートン氏は英ガーディアン紙に「一部の国は歴史を書き換え、失敗を隠そうとしている。感染症は政府間で衝突が生じる時ではなく、各国の人々が苦楽を共にする時であるべきだ」と訴えた。

「団結と協力は国際社会が感染症に打ち勝つ最も強い武器だ」「相互支持、団結と協力こそが危機に打ち勝つこの世の王道だ」中国の指導者の声が再び国際舞台で響いている。

新型コロナは全人類の共通の危機であり、感染症に打ち勝つことは国際社会の共同の任務だ。国レベルから世界レベルまで、責任感を持ち団結し協力することは、感染症との戦いにおいて不可欠だ。危急の時、大国は自国民及び国際社会への責任を果たし、世界の感染対策協力を積極的に推進し、人類の健康と幸福を全力で守るべきだ。こうすることで歴史の検証に耐えられるようになる。

ガバナンス強化でリスクと挑戦に対応、人類運命共同体の構築を維持せよ

イスラエルの歴史学者、『サピエンス全史』の著者であるハラリ氏は「新型コロナの蔓延は稀に見る動乱と変化をもたらした」と指摘した。

新型コロナは一つの試練、各国及び世界のガバナンス水準に対するかつて無い「ストレステスト」だ。新型コロナの世界的な蔓延は、グローバルガバナンスの強化と改善が当面の急務であることを示している。

新型コロナの流行後、一部の国は認知共通認識協調を失っている。対応するための動員能力が低下し、医療資源の不足が深刻で、感染状況が持続的に悪化している。世界レベルで見ると、パンデミックを防止するための発見観測防護治療システムの不足が露呈している。一部の国は多国間協力を損ねる一方で、多国間メカニズムを自国の利益のために利用しようと試み、さらにはグローバルガバナンスメカニズムを政治的駆け引きのツールにしている。

ウイルスの人類への攻撃は、終息には程遠い。感染対策情勢は依然として厳しく複雑だ。この時期に国際社会は国連を軸とするグローバルガバナンス体制をより強く守り、WHOを強く支持し、感染対策の経験を広く共有し、医療物資の供給を確保し、薬品の研究開発を加速するべきだ。

世界の感染症との戦いの実践は、より揺るぎない姿勢で多国間主義を守り、グローバルガバナンス体制をより公正で効果的にし、人類運命共同体の構築の推進を続けることで、より余裕を持って各種リスク挑戦に対応できることを示している。

人類の発展の歴史は、感染症との戦いの歴史でもある。経験により知恵をつけ、困知勉行する。苦難を経験し啓発されるなか、人類はいつか新型コロナに打ち勝ち、数々の挑戦を乗り越え、光あふれる未来に向かうだろう。

「中国網日本語版(チャイナネット)2020814

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