虚偽報告に隠された真相

米国国家情報長官室は現地時間27日、新型コロナウイルスの発生源に関する「報告書」の概要を発表しました。その498語からなる文章は、新型コロナウイルスの発生源に関するいかなる証拠も示していません。

発生源調査の結果には、「と思われる(likely)」、「おそらくは(probably)」という言葉が満ち溢れています。この報告書概要は米国のネットユーザー言葉を借りれば「数ページの役に立たない紙くず」です。

 

 

ネットユーザーの批判。「これはよい例かもね。これだけの枚数を使った文章が、何も語っていないことの」

カタールに本社を置く衛星テレビ局であるアルジャジーラは、「米国の情報機関は、新型コロナウイルスの起源について、まだ一致に達していない。意見の不一致を解消するのは困難だ」と指摘しました。

米国の情報界、新型コロナウイルスの起源でなおも意見不一致

 

今回の調査の前の時点で、米国の情報機関のうち「実験室流出説」に傾いていたのは1機関、「自然起源説」に傾いていたのは2機関で、残りの機関は判断を示していませんでした。今回の調査結果では、「実験室流出説」寄りは依然として1機関であり、「自然起源説」寄りは4機関に増えました。

米国の学者、マリオカーボロ氏は、米国が「武漢実験室流出説」をあおり立ててきたのは、米国の実験室に存在する深刻な「ウイルス流出史」から人々の注目をそらせるためだと述べました。この点については、報告のもう一つの細部からも裏付けることができます。それは、「不確定」だらけの文章の中で、唯一確定された結論は「ウイルスは生物兵器ではない」、「遺伝子プロジェクトでない可能性が高い」というだということです。

発生源について、米国にとって特定につながる手がかりが増えていることを思えば、米国の情報機関の「苦心」は理解できないことでもありません。なにしろ、かつては世界で2500万人以上がフォートデトリックの調査を呼び掛け、現在はコロナウイルスや遺伝子改造を研究しているバリック実験室に対する国際社会からの注目が高まっているのです。

米国はこれらの合理的な質疑に対して、真相を隠し、責任を逃れようとしてきましたが、現在は、発生源調査報告をもってすり替えようとしているわけです。

米国が発生源調査に関する報告書をまとめたのは、初めてのことではありません。共和党のマイケルマッコール下院議員は中国に発生源を求めた報告書をまとめたことがありましたが、この報告書の中にも、「と思われる」や「おそらくは」といった推測がいたるところにありました。

専門機関が2020年初頭の海外ソーシャルメディアの投稿内容に対して大量の収集、選択、追跡を行なった結果、「匿名者QQAnon)」と「ゼロヘッジ(Zero Hedge)」の二つのアカウントが浮上しました。この二つのアカウントは20201月に「新型コロナウイルスは中国のバイオ兵器だ」などの陰謀説を発表し始めています。ここに一つの符合があります。これらの組織はいずれも共和党を支持しているのです。

「ウォールストリートジャーナル」によれば、これらの「証拠」を持ち出したのは、デビッドアッシャー氏が率いる情報団体です。アッシャー氏はシリアの化学兵器の調査に携わった経験があります。

民主党のクリスマーフィー上院議員は「現政権は、大統領の新型コロナへの対応不足への非難をそらそうと焦っている。そして、中国は非常に便利なスケープゴートだった」と述べました。マーフィー議員のこの言葉は、大部分の民主党関係者の声を代表しています。

情報機関を利用して相互に攻撃しあい、他国を中傷することで、党派間の争いを推し進める。こういった卑劣な思惑は、「民心を得ず、活路がない」ということです。

(CRI日本語版より 2021831)

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