中国と友達になろう
 
  「外国人」・「中国人」。そう呼ばれて悲しむ一人の女性がいました。その女性の出身地は中国。その女性とはスーパーマーケットのバイト先で出会いました。出会った当初は私も彼女も挨拶をする程度の仲で私は彼女が外国人であること、そして中国人であることをまだ知りませんでした。なぜなら名前は日本の名前でしたし、交わす挨拶に何の違和感も感じていなかったからです。
  ある日、私が出勤すると同じようにアルバイトをしている私よりも二十歳、三十歳年上の二人組がこんな話をしていたのです。「あの人の話し方どうにかならないのかしら?外国人ってみんなそうなのかしら?」「いや、中国人だからじゃない?」と。私は最初誰の事を指して話しているのか分からずその場を離れました。頭の隅では、誰のことだったのだろうと気にはしていましたが特別探ろうとは思いませんでした。しかし、気になっていたことはすぐに分かりました。
  その日、私と彼女は同じ退勤時間で、着替えのロッカールームで一緒になり、「お疲れ様です。」と挨拶をし個々に着替えをしていました。その時、彼女から私に、「こういう場合はどういう言葉使いをしたら良いのか」と声をかけてくださいました。そして彼女は「私は外国人です。特に中国人だから言い方がきつく感じる」と続けて私におっしゃいました。私は初めて彼女が外国の方だと知り、出勤時二人組が誰の事を話していたのかが分かりました。
  彼女は「私は中国人だけど国籍も名前も日本にした。でも、私は何も変われない。どうしたらいい」とほとんど初対面と言っていい私にこう言ったのです。とても驚きました。外国人と言われ中国人だからと言われ悩みを抱えて初対面の私になぜそんなことを言ったのか不思議でしたがそれ以上に、外国人だからなどと人を見た目で判断している人と同じ職場で働いていることにとても遺憾に思いました。彼女は国籍も名前も変えてまでして日本にいてくれて働いてくれているのになぜ彼女は自分を責めなくてはならないのか。胸がとても痛かったです。
  私は彼女に率直に「気にすることはないです。貴方はとても勇気のある方です。私は貴方を尊敬します。」と言いました。彼女の緊張していた表情から力が抜けていくのを私はこの目ではっきりと見ました。なぜ初対面の私に自分の悩みを打ち明けたのか、彼女は「貴方はいつも笑っている。そして優しそう。」という理由で打ち明けてくれました。私は彼女に剛腹な面があることを知り、尊敬しました。
  その後度々彼女と出勤が被り、中国の流行ものについて話したり、この先やってみたいこと行ってみたい所など楽しい話をしました。月日は流れ私は彼女と出会ったバイト先を辞め、大学で中国語を専攻し言語の世界に限らず、言葉のあり方、異文化理解、アイデンティティといった事を、世界に視野を広げ多くの見解や知識を学んでいます。
  バイト先で出会った女性は私の世界に対する視野を広げてくれたのだと思います。学んだ知識をこれからの社会に、そしてこれから出会いに貢献していけるように努力をしていきたいです。私と彼女の出会いは濃密であり私と中国を出会わせてくれた大切な懸け橋です。私はこれからもっとたくさん中国を見ていきたいですし、日本と中国の仲が今よりももっと良くなって、両国が自慢し合える友好関係を築いて欲しいと願うとともに自分もその関係を築いていく中で、関わっていきたいと思います。日本と中国の友好架け橋がこの先ずっと続きますように。
 
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