「中日友好といえども、相手国の事柄についての知識を持たなければ、何も始まらない」

大森貴久

日本知識大会の設問は予想していたものより遥かに難易度が高く、純粋に驚きました。例えば、すべての中国の人々が知っている中国人の俳優歌手映画監督作家は誰なのか。このことを日本の大半の人々は知らないだろうと思います。正直に申し上げると、日本の人々には親中や反中など、中国に対していろんな感情を持っている人がいます。ただ、それはそれとして、私が最も危惧しなければならないと思うのは、好き嫌いといった感情以前の“無関心”です。大会を観戦して、とりわけ日本の若い人々は中国の歴史や文化に対して、いま以上に具体的に、関心を抱く必要があると感じました。中日友好といえども、相手国の事柄についての知識を持たなければ、何も始まらないように思います。

外文局副局長のお話のなかに、『漢書』のなかに出てくる「雨垂れ石を穿つ」という言葉がありました。今般の研修旅行において、人民中国の方々が何から何まで丁寧に対応してくださる理由は、この言葉に表れているように感じます。一滴の雨垂れが、長い時間をかけて繰り返されることで固い石をも貫いてしまう。私自身にできることは、あくまで一滴の雨垂れのごとく、目の前のひとりの中国の方に対して、どこまでも誠実に接していくことだと思います。

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