中国と日本における少子高齢化

霜村悠夏

 日本では、女性の社会参加が進み、1985年に、社会での働き方や給与は男女平等だとする男女雇用機会均等法が成立した。女性の社会進出に進むことになるが、このことにより、仕事を優先して、結婚をしなかったり、あるいは遅らせたり、と、子どもを出産するという選択に影響を与えていることは想像がつく。女性の社会進出を推進する受け皿として、仕事を続けながらも子育てを支援する体制がしっかりとできており、それが職場の周囲も納得応援してくれる環境がなければ、女性の仕事と子育ての両立は難かしい。

 私は、この1985年の男女雇用機会均等法が、日本の少子高齢化の一因であると考えている。昇進に男女を差別するのはおかしい、能力で判断すべきだという上昇志向がある人ならば、出産で長期に仕事を休んでいられないと思うのは当然の考えだろう。

 しかしこの少子傾向が何を日本にもたらしているか?いびつな年齢層の人口数である。一人の若者が何人もの高齢者を支えなくてはならない日本に活気のある国、生活は望めない。今、やっと子育て支援のための育児休業の充実や、保育園の充実をすすめている日本であるが、さらなる対策を講じる必要があるのではないか。

 そして、隣国の中国にでもこの少子高齢化が進んでいるという。

私は、広大な土地があり経済でも人口でも、今や世界の中の大国である隣国中国にも、日本と同じ問題を抱えていると知り、少子に至った原因とどのように対策をしているのかを知り、日本との比較をしてみたいと思った。

中国では人口の増加が進み、21世紀中頃には16億に達し制御の利かない人口爆発が予測された。経済発展に取り組むためにも、増大する人口を抑制する必要もあった。このため、1978年ころから計画出産が呼びかけられ1982年ころから厳格な政策が推進され、出生率の低下につながった。

そのような中で、中国は世界第2位の経済大国に発展していった。一人っ子政策については国家衛星スポークスマンによると約40年間の計画出産の成果として、資源環境の圧力を大はばに軽減して中国の急速な経済発展に貢献するとともに世界人口の70億到達を5年間遅らせることが出来たとのことだ。しかし、2014年に初めて生産年齢人口が減少に転じ、そのままでは、扶養しなければならない高齢者の人口が多くなってしまうという状況になった。

そこで2016年に中国は一人っ子政策を廃止した。すべての夫婦は二人目の子供をもうけることができるようになった。二人目をもうけた夫婦に重いペナルティを課していた厳しい一人っ子政策が緩和されることになったのだ。しかし、長年の政策が定着し、規制が緩和されても2人目を望まない傾向があるという。若年層ほど、大家族を望む傾向が薄れつつあったり、経済的に困難であったりという理由が根底にあるようだ。

 この考えは、現代の日本の若者も同様なのではないかと感じた。中国も日本も、家族の集合体が2世帯3世帯と大家族の世帯が少なくなかった時代から、核家族化が進んでいる。世話をする大人が少ないと社会参加への身動きが取りづらい、複数の子育てには費用がかかる、という状況では、子どもを何人も産み育てるということにためらう若年層が多くいるのも理解できる。この個々の不安の解消のためには、社会保障の対応が求められると考える。

日本の少子高齢化への対応と、中国の今後の対策について、この現状をどう打開していくのかを注視し勉強していきたい。中国の対策について、取り入れることが可能な内容は学んでいくことが必要だと考える。

人民中国インターネット版

 

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