前述のPanda杯青年交流アンケートの調査結果について、アジア太平洋広報センターの王衆一総編集長は次のように詳しく解説した。
2019年6月、習近平国家主席がPanda杯の受賞者である中島大地さんに返信をした後、より多くの日本の若者が本コンクールに関心を抱き、参加しました。中日の若者の交流を一層促し、各種世論調査に見られる日本人の対中好感度の低さについて新たな視点から考える手掛かりとなるよう、20年よりPanda杯参加者と中日交流を行っている日本の若者を対象として、アンケート調査を行っています。
昨年5月から9月にわたり、2021年度Panda杯青年交流アンケートはつつがなく実施され、最終的に211名の有効回答が集まりました。そのうち152名は学生で、59名は社会人でした。

データが示す回答者の若者の意識傾向としては、次の4点が挙げられます。
第一に、日本の若者は主に日本のメディアやSNSで中国に関する情報を得ており、日本のメディアによる中国報道は一面的だと感じています。同時に、それらの回答者は客観的かつ全面的に真実の中国を理解する上で、中国メディアが大きな助けとなっていると考えています。
71・09%の回答者はテレビやラジオに代表される日本のメディアが中国に関する日頃の情報源であり、50・71%はフェイスブックやツイッターなどSNSを通じて中国情報を得ていて、これらの数字は20年からほぼ横ばいでした。
また、74・41%の回答者は、「日本の報道から受ける中国のイメージが自身のイメージより悪い」と答え、56・87%が日本のメディアは中日関係促進や相互理解に「貢献していない」もしくは「マイナス効果になっている」と考えています。この2項目は20年に比べて約4ポイント増加しました。
そして、56・40%が訪中日本人観光客減少の原因として、「メディアの報道を見て、中国の大気汚染や食品事情が心配だから」と答えています。
特筆すべきは、今回新たに設けた「中国のメディアはあなたが全面的かつ客観的にリアルな中国を知ることに貢献していますか?」との問いに対し、48・82%が「貢献している」「多少貢献している」を選んだことです。
第二に、20年と比べて、日本の若者は現在の中日関係への憂慮を深めていますが、中日関係と中日協力の重要性もより強く意識しています。多くの若者は両国に相通じる東方文化の価値観を十分に認め、東方の知恵がグローバルな課題の解決上、重要な意義を持つと考えています。
72・51%の回答者は現在の中日関係を「あまり良くない」または「良くない」とし、この値は20年より14・35ポイント増加しました。97・63%が日本にとって中日関係は「とても大切だ」もしくは「比較的大切だ」と考えており、92・89%が「アジアと世界の平和と繁栄の実現のため、中日両国はより緊密な協力関係を構築すべきだと思う」と回答しています。
また、63・98%が「2000年以上の交流の中で、中日両国は共通の東方文化と価値観を形成してきたと思う」と答え、そのうち85・93%は「こうした東方文化や価値観は、新型コロナウイルス感染症の抑制、気候変動、貧富の格差の解消、共同発展といった今日の世界の諸問題に対して、重要な意義があると思う」としました。

第三に、多くの日本の若者が中国の若者と交流する意欲を持ち、留学や修学旅行での相互訪問、文化交流の機会が増えることで、両国の青少年交流が深まることを望んでいます。またその際、メディアが積極的な役割を果たすことを期待しています。
93・33%の回答者が「若者世代の中国人の友達が欲しいと思う」と答えました。また、84・36%は若者世代の中国人と「学業、就職、恋愛、結婚などライフスタイルについて話したい」と回答しています。さらに、半数以上の人が新型コロナの収束後、中日両国の官民は青少年の交流のために「留学派遣、修学旅行などの相互訪問、芸術や音楽、スポーツなど文化交流の場を増やすべき」としました。
第四に、Panda杯への参加を通じ、日本の若者は中国への認識を深めると同時に、相互理解の重要性を認識し、中国を知り、中国の人々に接したいという願いを強めています。
72・51%の回答者はPanda杯参加のきっかけについて、「もっと中国を理解したいから」と答えました。過去の受賞者に聞いた訪中交流の満足度は100%で、その収穫としては「中国語学習への興味が強くなった」が最も多く、「中国と中国人への理解が深まった」がそれに続きました。さらに、93・33%が訪中研修参加を通じ、「中国や中国人への印象が良くなった」とし、95・73%はPanda杯参加で「もっと中国を理解したい」「もっと中国人と交流したい」と思うようになりました。
20年に比べ、昨年は有効回答が5割近くまで増えました。このことは新型コロナで両国の人的往来が制限される中、日本の若者が中国を理解し、中日交流に参加したいという切なる願いに変化がないことを十分に反映しています。