訪中を通して変わったもの

 

山本 陽子

 中国へ行く前日、わたしはノートに中国のイメージを書きました。それまで中国へ行ったことのないわたしにとっては日本にいる中だけで得た中国に対するイメージです。そこには、「歴史ある国と聞いているから、古い建物が多そう」「日本を嫌っている人が多そう」などとマイナスなイメージの文字が並び、最後には小さく、「怖い」と書いてありました。わたしは帰国後にそのリストを見返し思わずて笑ってしまいました。なぜなら、そのリストの横には、帰国後に書かれた赤ペンでことごとく、「そんなことない!」という文字が並んでいるからです。古い建物が多い!?北京や上海のあのそびえ立つビル郡の夜景を目にしたらそんなこと、思い付きもしません。中国はもちろん長い歴史を持ち、その歴史と、歴史を築いてきた偉人たちを誇りに思い、大切にしています。それは立派な記念館や博物館の数々、またそこに訪れる多くの国民の様子からしても目に取ることができました。しかし、ただ歴史を大切にしているだけではなく、未来に向けての科学技術の発展、国自体の発展がものすごい勢いで進んでいる。中国はその両立を上手くとれている、そんな国であると感じました。

 そして、わたしが一番大きく感じた変化は「日本を嫌っている人が多そう」というイメージです。わたしはこの中国訪問で多くの中国人に出会いました。たくさんおしゃべりした人もいれば、ただ街角ですれ違っただけの人もいます。しかし、この中で、日本人のわたしを嫌な気持ちにした人は、一人たりともいませんでした。それは、たとえ過去に日本人によってあんなにもひどいことをされた、南京という場であってでもです。大学交流で出会った学生の方々は多くの人が幼い頃から日本に興味を持ち、難しい日本語を今でも一生懸命に学習してくださっています。わたしは、こんな風にしか思えていなかった自分を恥じると同時に、悲しくなりました。

 帰国前にリストに小さな字で「怖い」と書いたのは、自分が中国の真実を何も知らなかったからなのかもしれません。メディアで報道されることしか知らず、それを疑いもせずに鵜呑みにする。このことで本来は持つ必要がない恐怖すら背負っていたように思います。報道されている事だけが真実である訳ではない。報道されている人達だけでこの世は出来ている訳ではない。だから、自分が実際に行き、見てもいないことを全てだと受け止めるのはこれからは辞めます。

 このように、中国に訪問することで、わたしは中国に対するイメージと共に、自分自身も大きく変わることが出来ました。



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