透き通る川と虹色の山

 

秋、澄み切った貴徳の黄河(写真殷生華)

 

 「九曲黄河万里沙(曲がりくねった黄河が万里の砂を含む)」。黄河といえば、たいていの人の印象はこのようなものだ。意外なことに、黄河の水源地である青海省では、澄み切って底まで見える黄河を見ることができる。いわゆる「天下黄河貴徳清(天下の黄河、貴徳で透き通る)」である。貴徳県は海南チベット族自治州東部に位置し、西寧市から110の距離にある。黄河谷地にあり、四方を山に囲まれた広々とした平野で、土地が肥沃、気候も温和で、かねてより「高原の小江南」の美称を持つ。黄河は貴徳を西から東へ通過し、独特な河谷湿地の景観を形成している。黄河清大橋の上に立つと、エメラルドグリーンの黄河がゆっくりと流れ、川の両岸は緑で覆われていた。遠くには、真っ白な雪をかぶった険しい山々が連なる。素晴らしい景色によってゆったりといい気分になれる。

 独特な黄河湿地のほか、貴徳は美しい丹霞地形でも有名だ。西寧から貴徳まで行く途中、丹霞地形を必ず通過する。赤、緑、白の山々の起伏が大自然の神業によってさまざまな不思議な姿を見せ、壮大かつあでやかだ。この地形がよく見られる場所は、貴徳国家地質公園のアシーゴン(阿什貢)七彩峰叢観光エリア内に集中している。西はアシーゴンラカ(阿什貢拉卡)から東は松壩峡まで、南はアシーゴン村から北は白馬寺まで、面積3000ムー(200)のエリア内で、溝や谷が縦横に走る丹霞地形は、砦や宝塔のように見えたり、針や柱のような形をしていたり、光と影の中で変幻極まりない。色もさまざまで、前にある濃い赤色が二つ目の黄土色の山につながり、三つ目の山になると黄緑色に変わっている。我を忘れて見入ってしまい、大自然の不思議な力にまた感嘆せずにはいられない。

 貴徳には雄大な自然景観があるだけでなく、参観に値する歴史文化の遺跡も多い。明代初期に建てられた貴徳古城は600年以上の歴史を有する、貴徳県の古い歴史の証人だ。古城の東半分には、孔子を祭る文昌廟および関岳廟、玉皇閣がある。西半分には、チベット仏教寺院の大仏寺および清の光緒帝時代(在位1875~1908年)の壁画が残る城隍廟などがある。貴徳の古建築群を参観すれば、誰もが時間の流れに感嘆し、文化の融合と衝突に深く感服させられることだろう。

 

貴徳国家地質公園

所在地/青海省海南チベット族自治州貴徳県ガラン(譲)郷アシーゴン村

電話/(09748569920

時間/8:3017:00

料金/100元/人