ゲルク派開祖の生誕の地

 

タール寺にて、敬虔なチベット族の人々が「等身長頭」をしている

 

  多くの人々にとって、青海といってまず思い付くのは、青海湖とタール寺だ。青海湖と同じく有名な名所として、タール寺は確かに青海旅行で欠かせない目的地である。

 

 西寧を出発し、平坦な高速道路を西へ30走ると、湟中県の町を通って、蓮花山にあるタール寺に着く。山の麓に建てられた寺院建築群はまるで八葉のハスの花ずいのようで、蓮花山に荘厳さと美しさを添えている。

 タール寺はチベット仏教ゲルク派開祖のツォンカパ大師生誕の地だ。また、チベット仏教ゲルク派の六大寺院の一つでもある(あと五つは、チベットラサ市のセラ〈色拉〉寺、デプン〈哲蚌〉寺、ガンデン〈甘丹〉寺、シガツェ〈日喀則〉市のタシルンポ〈扎什倫布〉寺、甘粛省夏河県のラプラン〈拉卜楞〉寺)。

 1379年、チベットで学んでいたツォンカパが母親に手紙を送り、彼が生まれたボダイジュがある場所に石製の蓮聚塔を建てさせた。これがタール寺の最初の建築物だといわれている。明の嘉靖39(1560)年、リンチンツォンズェ(仁欽宗哲)禅師が塔のそばに静房(修行の場所)を建て、僧侶を集めて座禅を行った。17年後、さらに弥勒仏殿を建て、「クンブムチャンパーリン」と名付けた。チベット語で、「10万の獅子吼仏像の弥勒寺」という意味で、略称は「クンブム」といった。まず塔があり、それから寺が建てられたため、二つを合わせて一つにし、タール寺というようになった。ここは青海地域のチベット族、蒙古族、トゥー族など、チベット仏教を信仰する人々の聖地であり、中国全土および東南アジアでも広く名前を知られている。

 タール寺に入ると、低く厳かな読経の声が大殿から聞こえてきた。僧侶たちはけさで身を包み、大殿の石造りの床に半円形に座っている。旅やつれをした様子のチベット族の同胞何人かが、線香の煙が漂う大殿の前で無言で何度もひざまずき、拝んでいる。彼らの落ち着いた容貌や、敬虔な「等身長頭」(チベット仏教の礼拝儀式の一種で、ぬかずくことによって仏に対する無上の崇敬を表す)が、修行者の心を激しく感動させる。タール寺では、心を落ち着けて、各感覚器官を動かして、そこの超然とした穏やかさを感じてみよう。注意深く体で感じてこそ、なにかしら心に触れるものがあるはずだ。