趙暁艶(合肥学院)

おしゃれなスーツに身を固め、元気満々できれいな女性が面接官の前に立ち、笑顔ではっきりと挨拶しています。この女性の名は河野悦子さんです。「校閲ガール•河野悦子」というドラマの主人公です。
このドラマを見始めたきっかけは、石原さとみちゃんが好きだからですが、このドラマを見るにつれ、河野さんの魅力的な性格に心から引かれました。河野さんはいつまでも諦めない心を持っています。ずっと「初心」を持って景凡社のファッション編集者になるために一生懸命準備しています。
「また来たのね」「また来ました」
「えっと、何回目になりますか」「新卒から数えると七回目です」
今回またしても同じ会社の面接官の前に立ち、本音の言葉を言い、同じ編集部を募集しています。彼女は何度も断られたにもかかわらず、一度も諦めることはなく、前よりいっそう一生懸命励んでいます。
「うち以外の出版社は受けてないんですか」
「もちろん、受けていません」
「どうしてですか」
「受かったら、困るからです。私は御社の編集者になること以外考えておりません。私は御社発行のファッション誌を長年にわたって愛読。いえ、愛して来ました……」と河野さんはまるで家宝を数え上げるように様々なファッション誌について、陶酔しながら語っています。
彼女がファッション編集者なりたい気持ちがよく伝わってきます。河野さんの景凡社への忠実な思いが面接官を感動させ、見事景凡社に採用されましたが、配属されたのは彼女の望む編集部ではなく、校閲部でした。しかし、河野さんは腐ることなく、編集部に入る初心を忘れず頑張っています。彼女はもとの校閲部の雰囲気を変わって、心の執念によって、校閲作品の事実確認を日々行っています。このような努力の成果があり、河野さんは作家から直々に指名されるようになりました。
望まない仕事なのに、なぜそんなにやる気があるのかと聞かれた際に、河野さんの一言が印象に残りました。
「夢がどこにあっても、目の前の仕事には全力で取り組んでいきます。」
河野さんだけでなく、彼女の同僚もほとんどの日本人も同じだと思います。自分の「初心」を持って仕事に取り込んでいます。
私は、ある日、久世さんという日本人と接触してから、私の考えは間違いないと思いました。今久世さんは「淀川盛馀」という会社の尊敬される部長です。話しているうちに、彼は大学院を卒業してからずっとこの会社で働いていて、今まで30年近くになりました。転職なんて一度もありません。日本ではこのようなことが一般的だと言われましたが、なんとも不思議に思います。
「えー?転職とかは一度も考えなかったの……」
「ないんだ」ときっぱり答えました。
「若いうちに、どうして新しい仕事を探さなかったの?」
「私は学生の頃、就職活動が上手くいかない日々が続いていた。そのような中、私を唯一採用してくれたのは淀川盛馀だった。その時、私はこの会社にいつか恩を返そうと決意した」と言われました。久世さんの初心はこの会社に恩を返すということです。
彼の答えに私は再び驚いた、それどころか、少し恥ずかしいと感じました。ほとんどの日本人は始めた以上は、自分の選択と初心に恥じず、初心で始まり、初心で終わるということ、そのものが達成感があると思われています。やはり日本人は始めから終わりまでやり切るという特徴があって、いくつもの嫌な瞬間があっても、初心を忘れずに仕事を頑張っています。
日本は清潔で、礼儀正しい風土があり、法を重んじる国であることを知るとともに、効率と高品質の追求も大和民族の特徴であるともよく知られていますが、このドラマを通して、「初心に忠実」という言葉は知らず知らずのうちに私の脳裏に深く焼き付いてきました。ついに日本の新しい魅力を発見しました。日本人は初心を忘れず忠実に行動していることに、外国人としての私は、心から敬服しています。