経済協力は上海協力機構(SCO)の重要な基盤と主な活動内容であり、「3つの柱」の1つと呼ばれている。現在、SCOの各加盟国はいずれも発展と振興の重要な時期にあり、経済発展を国家の発展の重要課題とみなし、相互の協力強化に強い意欲を持っている。相互利益を土台に、SCOの各加盟国が地域協力の潜在力を掘り起し、助け合って「一帯一路」を共同建設し、各分野の実務協力を深めることは、「上海協力利益共同体」の早期構築につながる。
■制度構築で地域経済協力をバックアップ
SCO加盟国は、17年に渡って「上海精神」を掲げ、「上海協力機構(SCO)加盟国多国間経済貿易協力綱要」を指針に、地域経済協力の制度的枠組みを整備。経済協力の仕組みを徐々に豊かなものにし、各国の経済を活性化するとともに、地域の貿易・投資の発展を促し、「上海協力利益共同体」の形成を加速してきた。
SCOは2001年の設立以来、一連の地域経済協力に関する法律文書に署名し、地域の経済協力に制度的枠組みを提供してきた。例えば、SCO設立のその年の9月に、各加盟国は地域経済協力展開の基本目標と方向性および貿易・投資円滑化プロセス始動の覚書に署名、2年後には「上海協力機構(SCO)加盟国多国間経済貿易協力綱要」を承認した。その後、これを土台とした文書の改訂が続き、各種の経済協力深化に向けたロードマップが作られた。例えば、「『上海協力機構(SCO)2025年までの発展戦略』2016—2020年実施行動計画」、「2017—2021年上海協力機構(SCO)プロジェクト協力推進措置リスト」などの文書により、地域経済協力の目標と課題や具体的措置が明らかになった。同時に、加盟国の政府首脳は地域経済協力に関する声明を発表し、多国間経済貿易協力を強化し、経済一体化を推進すべきと強調した。
■「一帯一路」を共同建設し共同体の形成を加速
「一帯一路」がユーラシア経済連合と連携したことで、地域経済の融合が急速に進んだ。2015年に中露両国の首脳はシルクロード経済ベルトとユーラシア経済連合の連携についての声明に署名し、SCOを連携プラットフォームにすると明らかにした。今や「一带一盟(シルクロード経済ベルトとユーラシア経済連合)」の連携は、協力メカニズム・貿易投資・金融・生産能力・産業パークなどの分野で目覚ましい進展を遂げ、大型プロジェクトが着実に実行されている。
「一帯一路」建設の過程で、各国の優位性の相互補完と生産要素の整理統合が加速、SCOの地域経済協力が強まり続けている。それは各国の利益の融合を促すとともに、各国の経済モデル転換・発展と持続可能な成長に新たなエネルギーを注ぐ。統計によると、SCO創設時からの6つの加盟国の2017年GDP総額は2001年比で7.56倍増加し、同時期の世界経済成長率を顕著に上回る伸びとなった。新たに加盟国となったインド・パキスタンの昨年のGDP成長率はそれぞれ7.2%と5.3%だった。SCOの経済規模の大幅拡大は、世界の経済発展の注目の的となった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年6月8日