期待を集める上海協力機構青島サミット

 

上海協力機構(SCO)加盟国元首理事会第18回会議が69日から10日にかけて山東省青島市で行われる。青島サミットはSCOの加盟国拡大後に開催される初のサミットとなる。アナリストは、SCOは青島を新たな起点として新たに船出し、ユーラシア地域の安全保障と繁栄の新たなページを書き記すだろう、としている。

中国国際問題研究院ユーラシア研究所代理所長の李自国氏は次のような見方を示す。青島サミットの特別な点は、中国共産党第19回全国代表大会が新型国際関係確立と人類運命共同体構築を打ち出したという大きな背景をまず考慮する必要がある一方で、国際情勢と国際秩序に起きている重大な変化も無視できないということだ。青島サミットでは、加盟国が朝鮮核問題やイラン核問題、シリア問題など焦点となっている問題について共同で声を発し、一国主義と保護貿易主義に対し共同の立場を表明し、グローバルガバナンスについて高らかに「SCOの声」を発するだろう。

インドとパキスタンが昨年加盟国となり、初の加盟国拡大後のSCOは発展に向けて肝心な時期に入った。SCOがいかにして安定的に長期発展していくかが青島サミットの重要な議題となる。

SCOは創始当初から平和と発展という二大テーマをしっかりとつかみ、安全保障、経済、人的文化的協力を主軸に、互恵ウィンウィンの新型地域協力の模範となってきた。SCO青島サミットは「上海精神」を発揚し、加盟国間の団結相互信頼を強化し、各分野の協力を深め、SCOの新たな発展を促進するだろう。

安全は発展の基盤であり、地域の安全と安定を維持することはSCO協力の優先的な方向性である。李自国氏は、SCOの創設後この地域に大きな激動が起きていないことは、安全保障協力の成果が著しいことを物語っている、との見方を示す。現在SCOはテロ対策分野で新たな課題に直面しており、サイバーテロ対策やインターネットでの過激思想拡散阻止などの面で協力を強化している。

SCOの協力はすでに安全保障分野を越えている。各加盟国はSCOを発展戦略のリンクを図る場と見なし、積極的に「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)構築に加わり、貿易投資額が著しく増加し、相互接続ネットワークがひとまず出来上がっている。加盟国拡大後のSCOはすでに人口が最も多く、地域が最も広く、ポテンシャルが極めて大きい総合的地域組織となっており、経済力はさらに高まり、地域経済協力のポテンシャルはさらに大きくなっている。

専門家は、青島サミットは貿易利便化促進や地域協力全体レベル向上などの面で共通認識に達すると見ている。将来的には、SCOの融資メカニズム構築において飛躍的な進展が見込まれ、多国間経済協力と地域融合発展の見通しは明るい。

中国はSCO創始メンバーの一つで、SCOの各分野協力を進める上で特に貢献しており、特に経済協力面で牽引作用を果たしている。中国は昨年輪番議長国となって以来、SCO枠組み内で開催される一連の重要会議と大型多国間活動など160余りの活動を成功裏に実施し、青島サミット開催に向けて堅固な基盤を築いた。

新時代に入った中国はより大きな範囲で、より広い分野で、よりハイレベルに対外開放を進め、SCO各国により広い市場とより多くの協力機会を提供していくに違いない。

 

「北京週報日本語版」201866

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