目覚める査干湖

 毎年、12月末から春節(旧暦の正月)までが、冬捕の「ゴールデンタイム」だ。「万物には魂がある」と信じている現地の人々は、漁の前に、神秘的で原始的な「湖を祭り、網を呼び覚ます」儀式を行う。その習慣は今日まで伝わり、同地で最も盛大な祭りの一つになっている。 


 祭りでは、盛装した蒙古族の娘が漁師たちに奶干をささげる。僧侶たちは仮面をかぶり、たき火の周りで「査瑪舞(厄払いのダンス)」を踊る。漁把頭は両手で杯を持ち上げ、氷に開けた穴の前にひざまずき、大きな声で祈り、査干湖の恵みを願う。
 「第一に、万世不老の蒼天を祭る!第二に、われわれに命を授けた大地を祭る! 第三に、われわれを育てた査干湖を祭る!」。漁把頭の祈りが終わると、蒙古族の娘たちが雪と氷のアオバオ(通常、石や木を積み上げて作られた祭壇)の上にハダクを掛け、青年たちがあめや牛乳を空に向けてまき、僧侶たちが酒と供物を氷の穴の中に沈める。そして、全員でアオバオの周りを3周する。
 儀式の後、漁把頭は穴の中から魚を1匹すくう。それは幸運をもたらす「開湖頭魚」として、競売(7)にかけられる。2019年には、福建省の盼盼食品有限公司が296万元余りの高値でその年の「頭魚」を競り落とした。 
 騒がしい人々の声と足音が凍りついた湖面をたたき、氷の下で眠っていた査干湖を呼び覚ました。

 

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