自分らしく生きる

                                                     中国海洋大学外国語学院2019級 龐淦秀

 

 日本語を学び始めてから二年間、様々な日本のドラマを見てきた。そのうち、一番印象に残ったのは空気ばかり読む女性たちにスポットを当てたドラマである。それらのドラマを通じて、女性がどんな風に生きるべきかについて、考えみたい。

 『凪のお暇』の凪は、空気を読んで周囲に合わせようとして、「わかるー」を口癖にしていた。こうした空気を読んでしまう女性の系譜として『獣になれない私たち』の晶がいる。晶は、全方位に気を遣う「すり減らし彼女」である。四年間付き合っていた彼氏に本音が言えず、また会社で「仕事ができる」といわれて仕事を押し付けられまくっていた。また、『トクサツガガガ』の仲村叶は、母が特撮を嫌っているため、好きなことを好きといえず、本音を隠したまま生きてきた。これらのヒロインの共通点は空気を読み過ぎ、自分の本当の気持ちを隠して本音を言えないところである。

 日常生活で、私も常に空気を読んでいる。人の顔色を見て、「この人、今機嫌悪そう。もしかして自分がなんか悪いことを言っちゃったかも」と思ってしまう。また、「ご飯何がいい?」と聞かれたら、「なんでもいいよ」とつい言ってしまう。それに、友だちと話すとき、相手の意見に疑問を持っていても、「うん、そうだよねー」などと同調することが多いのである。知らないうちに、私は凪になり、晶になり、仲村叶になった。確かに、社会集団で生きていく以上、よい人間関係を構築するのに空気を読まなければならない場合もある。空気を読むことで、周囲の状況に敏感に反応して、その場の雰囲気を良い方向へ導くことができるのだろう。だが、空気を読み過ぎ、いろいろな理不尽なことを我慢してばかりでは、疲れ果てるだけでなく、自分らしさを失ってしまうのではないだろうか。

 そんな自分を変えたいと思っている。とはいえ、凪のように仕事を辞め、安アパートで人生をリセットすることはできないかもしれない。しかし、晶のように自分の感情と正直に向き合い、少しずつ自分の感情を表現することならできるだろう。自分の感情をはっきり表すのは難しくても、「今日は何が食べたい?」というシンプルな問いに、素直に「~がいいね」と答えるぐらいできるはずである。このように自分の気持ちを実際に言葉にして相手に伝えることで、空気を読まなくても楽しく自由に生きられるだろう。

 人生とは真の自分を見つける旅路であると思う。私たち若い女性も空気を読み過ぎて苦しむことなく、自分の気持ちを大切にして自分らしく生きるべきではないだろうか。

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