「セックス」というのも学問である

                  広州南方学院外国語学院 日本語科四年生 胡嘉敏

 

 17.3才の人は世間的に見たら立派な成人だと言えるのではないだろうか。それでも、親から見ると17.3才の自分の子は未だ子供だと思われている。大人になったらセックスするのはごく当たり前のことだと思ったら、親は「あなたはまだまだ未熟なんだよ。あなたは、セックスの何がわかる?」と必ずと言っていいほど言うだろう。子供はそうとは言うものの、その後親たちはセックスについて口ごもったまま、子供をごまかすのはよくあるパターンである。

 どうだろうか。あなたにも似たような経験があるのではないだろうか。。実は、これは2020年に放送した『17.3 about a sex』という日本ドラマのエピソードである。ドラマでは、進歩した現代社会における高校生たちが、恋愛経験があっても「セックス」というものについて多種多様な疑問を持ち続けるていることを描いている。

 異性が好きになれないのはなぜか?好きな人は女と男と、どっちも好きになったことがあるならどうしようか?セックスについての疑問が悩みになり、頭から離れなくてどうしようもない。答えは授業にもないし、親も黙っているし、やはり自分で探すしかない。そこで、開き直って、きっと適切な答えが返ってくるであろう先生に質問しながら、先生からセックスに関する知識を教えてもらうことにした。それで、人によっては、付き合い方もそれぞれだと知ることができた。

 だとすれば、生徒たちがあれほどセックスに困っているのは、学校や家庭など、実は保護者こそが子供たちとともに、きちんと性教育について向き合っていないからではないだろうか。

 また、ドラマの中にこのようなエピソードがある。セックスのことをよく知らないある女子生徒は、安全日であっても百パーセント妊娠しないとは限らないということを知らなかった。初めてのセックスで妊娠したとき、学校はその女子生徒に対し一方的に退学を迫るかたわら、全校生徒への説明と心のケアを行わないまま事態の収拾に努めようとしたのである。

 性教育の責任は誰にあるのだろうか。セックスとは何なのか、どのタイミングが正しいのか、お互いを尊重せずにセックスしたらどのような結果が生じるだろうか、それぞれの答えを生徒たちにきちんと説明しなければならないのはいったい誰の務めだろうか。 

 まだ半人前から、セックスしてはいけないものだと言われても、説得力は全然ないだろう。なぜなら、一人の人間として、生徒は世の中にあるありとあらゆるものを知る権利があるわけだから。

 性欲はもともと人間の本性の一つとして存在しているわけで、それが恥ずかしいと思う必要もないし、むしろ自分自身の本性に関する正しい知識を持っているのが一番大事だと考えている。

 学校でもいい、親でもいい、子供に堂々とその「セックス」というテーマにきちんと向き合って、話してみるのはどうだろうか。

 一方、子供たちははこの新たな令和時代にあっては、より多くの科学的な知識を学び、強くなって、健全な大人へと成長していこうではないか。

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