心の平和を見つける

南京信息工程大学  朱倩容 

作ったばかりの料理を並べて、パソコンを開けて、先日友達に勧められた『リトル·フォレスト』という映画を見ました。「この映画には美味しそうなものがたくさん出てくるよ。きっと好きになると思う。」と友達が前に私に言いました。それで、食事をしながら映画を見ることにしました。『リトル·フォレスト』を見るのははじめてでした。あの時の私はこの映画がこんなにも深いとは予想できませんでした。 

映画はいち子という女の子が東京の速いリズムに慣れなくて、故郷の小森という東北地方の小さな村に帰ってきて一人で暮らし始める、という話です。小森は日本の東北地方にある、辺鄙な田舎の村です。春夏秋冬を通じて、市子は自分で野菜や果物を植えます。母の様子を思い出して、地元の旬の食べ物で料理を作ります。 

映画は全体的に静かな雰囲気の中で、穏やかな口調で物語を語っていますが、味気ない感じはしません。そして人生について考えさせられます。映画の中でいち子がつぶやいた、「雨なんかに負けない」という言葉が印象的でした。連日の雨は弱い植物にとって脅威になり、雨の日は私たちの人生の困難を象徴しています。私たちがやるべきことは、意味のない愚痴ではなく、何とかして困難を乗り越えることです。そうしてこそ、希望が見えます。 

現代の私たちは都会で生活しています。映画の中のスローペースの田舎の生活がうらやましいかもしれません。でも、この映画は田舎の生活の気楽さと快適さを伝えるだけではないと思います。いち子の頑張りと努力は並大抵ではありません。それはモノが乏しくても心を込めて毎日をきちんと過ごすという頑張りと努力です。いち子の頑張りは自然の大切さと畏敬をも表しています。どんな生活も容易ではありません。楽そうに見えるのは、陰で努力しているからで、やる気がみなぎっているように見えるのは愚痴をモチベーションに変えているからです。いち子はいつもさりげなく日常のこまごました事をこなしていきます。だから、私達に見えるのはのんびりして静かな田園の生活です。彼女は一人暮らしを通じて成長していきます。いち子の生活は孤独かもしれませんが、暖かさと美しさがあります 

実はこれは何回も映画を見てから分かりました。最初はただほとんどの人のように映画の中の素朴な生活と美味しそうな料理が好きでした。その後、私は都市生活の速いリズムが私たちを息苦しい状態にさせるのではないかと心配し始めました。しかし、今私は知っています。喧騒のただなかにいても、自然に対する愛、前向きな気持ち、強い行動力を持って生きていけば、私たちは自分を見失わないですむと思います。 

今、窓の外は車の往来が賑やかです。私はといえば好きな本を開いて、穏やかで充実した時間をすごしています。もしあなたも心の平和を見つけたいなら、『リトル·フォレスト』という映画を見てはいかがですか。 

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