今を生きる

大連大学 林璽瑩 

  

最近、「僕のいた時間」というドラマをもう一度見ました。素晴らしいドラマだけに、見るたびに感動させられました。 

まず、このドラマの名前は人を考えさせます。「僕のいた時間」には何事があったのでしょうか。その答えは、ドラマを見たらすぐわかると思います。ある日、主人公の拓人はサッカーをしているときに急に足がつり、そのあとの生活では、だんだん片手に力が入らなくなりました。そこで、病院に行って検査を受けたらALSという病気にかかり、もっとひどいことに、これは治らないと告げられました。一瞬、拓人は人生が無意味になったと思いました。彼は家族や彼女に迷惑をかけたくなかったので、最初は病気のことを彼らに言えず、自分だけが病気で苦しんでいました。誰もが一度「自分は何のために生まれてきたんだろう」という問題を考えたことがあると思います。以前の彼は親の期待に応えるために生きてきたので、本心とは裏腹なことをたくさんしていました。しかし、病気になって、自分の生きる時間があまりないと分かってからこそ、拓人はこの問題について真剣に考え始めました。やがて見つけた答えは、「今を生きること、自分のために生きること」でした。彼が勇気を出して自分の病気のことを周りの人に打ち明けたら、かえって理解を得ただけでなく、多くの援助と応援も得ました。その後、彼は絶えずに新たな目標を探し、それを実現しようと努力しました。まさにドラマの中で彼が言ったように、「この先、すべての目標を奪われてたとしても、僕が目標に向かって生きたという事実は奪われないのです。」その過程が拓人には心理的な成長になり、私たちにとっては啓発になるのです。 

次に、拓人の両親について述べます。拓人だけでなく、弟の陸人も両親の期待を背かないように真面目に生きてきたが、それは決して彼が望んでいたことではありませんでした。自分の思うままに育てるために、生まれた時から子どもの人生をコントロールしている親がいます。しかし、彼らは子どもにも自分の考えがあることを忘れてしまいました。陸人は恐竜が好きだが、両親に医学を勉強させられました。だから、子供も親とコミュニケーションを取り、自分の考えを伝えることを学ぶべきです。お互いに理解し合ってこそ親子の関係もよくなれるでしょう。さらに、私たちは結局自分の好きなことをやるべきです。そうすることで、人間としての価値を感じることができるからです。それは、親が考える「安らぎ」よりも遥かに重要なことなのです。 

劇中の拓人は自分に残された時間が少ないことを知りながらも、いつも笑顔を浮かべていました。笑顔は魔法のように、自分だけでなく身近な人も温めてくれます。人生には大なり小なり困難がありますが、あきらめずに今を生き、愛する人と一緒に、やりたいことをやるのが最善の選択だと思います。 

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