わたしとスポーツ競技

上海外国語大学 曽偉祥 

 

私はスポーツ競技を題材としたアニメ作品には興味がある。アニメの主人公たちが夢を追いかける強い信念と負けない精神によく心を動かされる。彼らが夢を目指し努力する時のキラキラした目を見て、私は時々、かつて自分も彼らと同じようにスポーツが好きだったことをを思い出してしまう。 

小さい頃、家の近くにアイスリンクがあったので、そこを通る度にたくさんの人が氷の上を蝶のように優美に滑走しているのが見えた。やがて、両親に勧められ私も仲間入りした。しかし、実際にリンクに足を踏み入れてみたら、スケートはなかなか見た目ほど簡単ではなかった。同じスピンでも、才能がある子はたった一週間だけでマスターできたのに対し、私は一ヶ月も練習しやっとできるようになった。何百回も繰り返しずっこけ、体にたくさんの傷がついた。その上、スケート用のダンスやトレニンーグも同じ苦手だった。他の習い事でよく良い結果を出したが、スポーツだけが私を失望させた。両親は運動が得意で、私も間違いなく悪くはないと信じていた。事実はどうだったろう。私はスポーツが苦手だということを認めざるを得なかった。 

このことで年が若い私のプライドを傷つけ、私はスポーツが嫌いになった。その後、あのリンクは取り壊され、私もスケートを諦めた。それ以来スポーツ競技には二度とも参加しなかった。 

しかし、同じ状況に直面しているアニメの主人公たちは私と似ているところもあれば、違うところもあり、優れた才能があるわけでもないのに、彼らは素直にこの事実を受け入れ自分の長所を見つけていく。どうして彼らはずっと自分の夢を追うことができたのだろうか。「ユーリ!!! on ICE」というアニメを見終わった後、やっと答えを見つけた。 

主人公の一勝生勇利はプロフィギュアスケート、試合ミスを重ね引退を考えていたが、友達やライバルに助けられ勇気づけられ、最後の試合に参加した。プロ選手として、勝生勇利は試合に負けてトイレに隠れて泣いたり、ストレスでバカ食いをしたり、再三再四挫折しても、諦めたくなり、彼の行為から二次元の世界と三次元の世界の距離を一気に縮めていくことができそう。挫折した時は私も彼のようにネガティブな行動が多い。このアニメではフィギュアスケートしか語られていないが、あらゆる競技スポーツの縮図とも言える、社会全体の縮図とも言える。 

世界で一番努力している人が見つからない。頭が一番いい人も見つからない。優秀な人がどんどん現れてくる。私たちにできることは、自分の最大の力をいかすことだ。どんな結果になっても悔いがない。他の人と比べたら、きりがないので、スケートを通して、スケートの素晴らしい振り付けとリズムが身につくものだけでなく、競技に出たり、他の人と競争したりするためのスポーツではないことに気づいた。 

私はいつかリンクに戻りたい。あのスポーツの内的美しさをもう一度味わいたい。 

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