成長と癒やしを与えてくれたクレヨンしんちゃん

河北北方学院 史高捷 

  

子供の頃、両親は仕事で家を空けることが多く、私は友達があまりいなかったので、ほとんど家でテレビを見て過ごした。クレヨンしんちゃんは私の小さい頃の思い出の大きな部分だ。 

私がクレヨンしんちゃんが好きな理由の一つは、しんちゃんがいつも大人びた口調で喋るところだ。しんちゃんは子供なのに言っていることはもっともなことが多い。しんちゃんが話す言葉の中から、彼らのいる日本の陽気で楽しそうな日常が窺い知れることもその理由。他にも、彼は時々言葉の語順を逆にして言うことがある。しんちゃんのママはその間違いを正してくれる。最初、しんちゃんがわざと間違ったことを言った時に私はピンとこなくても、しんちゃんのママが直ぐに指摘した時、しんちゃんの言葉がいかに可笑しかったかに気づく。このように、しんちゃんの言葉遣いは面白くて、何度も私を吹き出させた。 

私がクレヨンしんちゃんが好きなもう一つの理由は、しんちゃんが幸せで円満な家庭を持っていることだ。しんちゃんのママは毎日家でしんちゃんの下校とお父さんの帰宅を待っている。休日にはしんちゃん一家はペットの白ちゃんも一緒に家族全員で旅行に出かけることもある。家族で喧嘩をしても、最後は必ず仲直りする。しんちゃんの家はお金持ちではないけれど、家庭に大きな問題もなく、彼らは平凡な日常を楽しんでいる。しんちゃん一家は私達に今時一般的な平和な日本の家庭の姿を見せてくれる。このような、しんちゃんの家庭は私の思う理想の家庭像だから、ずっと見ていたい 

長く連載が続くクレヨンしんちゃんは、私の生活の中でも、色々な思い出として出てくる。例えば、高校時代、私は一度寮でしんちゃんがお尻をひねって動く動作を真似て、ルームメイトたちゲラゲラ笑わせたことがある。それをきっかけに、うちの寮ではみんな冗談を言うようになった。他にも、教室でしんちゃんのことについて話していると、先生に見つかり、授業中なのに何を笑っているんだとよく怒られたものだ 

現在、私は大学生になった。学業と生活のストレスで息が詰まることが何度もある。そういう、私はパソコンでクレヨンしんちゃんを見る。しんちゃんは正直だから、いつも自分の素直な気持ちをストレートに表している。彼は無邪気で、いつも個性ある発言と行動人々の笑いを誘う。見終わるたびに私は気持ちがずいぶん楽になる。 

子供の頃の私には、しんちゃんは友達だった。高校の頃の私には、しんちゃんはリアルの友達の輪を広げてくれた。そして今、しんちゃんは私の心の負担を軽くしてくれる。しんちゃんは私の子供時代からずっと私に寄り添ってくれて、心の疲れを癒してくれている。私の人生の半分はしんちゃんによって救われたのだ。なるほど、日本人も私と同じだったのだ。それが日本で30年近く、クレヨンしんちゃんが愛され続けている理由なのかもしれない。 

 
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