女子は「可愛くなく」てもいい

大連外国語大学 王 

  

「フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」という言葉は上野千鶴子先生が平成31年度の東京大学入学式の祝辞で述べた言葉です。私は授業でこの祝辞のビデオを見て、女の子がもっと平等に扱われるべきだと思いました。  

上野先生は女性学のパイオニアとしてこの祝辞で、女子学生の置かれている現実、変化と多様性に拓かれた大学、東京大学で学ぶ価値という三つの面から自分の意見を述べました。祝辞の中で、医学部入試の女子受験生への差別を調査した結果を公表した文科省の担当者の言葉が紹介されています。女子学生は男子学生より大学に合格しにくいです。「息子は大学まで、娘は短大まででよい」と考える親の性差別的な教育観のために、明らかに女の子に不平等な現象が起きています。そして、女の子は子どものときから「かわいい」ことを期待されて、他大学との合同コンパで東大生の男子は持てて、女の子は「東大」といえば退かれてしまうので「キミ、どこの大学」と聞かれたら「東京、の、大学」と答えた方が良いなどと担当者が発言したそうです。私は女の子が東京大学の学生になったことは誇らしいことなのに、「東大」と言うとかわいくないので、口にできないのは女子学生にとってとても不平等で残念なことだと思います。  

女の子は可愛ければ、人に愛されるでしょうが、可愛い以外に、自分の個性がある女の子も魅力があるのではないでしょうか。私の大好きなアニメ『LoveLive!』に次のような話があります。このアニメは9人の女子高生の話です。普段ショートパンツを穿いている女の子が、自分が可愛くないことにコンプレックスを感じていました。結局はその子はショートパンツをスカートに変えて、自信を持って舞台に立つことができました。しかし、なぜスカートを穿くと可愛くなるのでしょうか。なぜかわいくないと自信が持てないのでしょうか。私はこの一話の結末だけはちょっとおかしいと思いました。女の子が何を穿いているかと可愛いかどうかは関係がありません。また可愛いだけでなく他の魅力もあると思います。 

女性が不平等な待遇を受け弱者になるのは、この社会に女性が弱いという考えがあって、女性が自分の長所を発揮できるチャンスが少ないからだと思います。多くの会社に就職する時もこのような不平等があります。私の兄は石油の貯蔵運輸を専攻する学生ですが、兄の専門にはほとんど女性がいません。なぜなら会社は仕事の環境が厳しいので、女性は続けられないと思って、女子社員を募集しないからです。しかし、女性が続けられないという証拠はありません。 

しかし、現在の日本の自民党総裁選挙の候補者4人の中に女性が2人います。ほんの少しですが、女性の社会的な不平等が変化しつつあります。私もこれからもっと多くの人が女子も可愛くなくてもいいと考えるようになってほしいと思います。 

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