さようなら、偏見――「お久しぶりです、武漢」についての感想文

張佳頴  西安交通大学

 

『武漢のありのままの姿を世界に伝えたい。一方で、武漢に行くのが怖い。そんな思いで始まったこの作品。撮影を終えた今、感想を一言でいうと、「もう一度武漢に遊びに行きたい!」』

2020629日、私は「お久しぶりです、武漢」を見た。

「お久しぶりです、武漢」は南京在住の日本人監督の竹内亮が撮影して、武漢の人々が新型肺炎との闘いとその後の武漢を描くドキュメンタリーである。

「このドキュメンタリーの最大の目的は武漢の現状を全世界に紹介するのである。というわけで、世界の人々が知りたいこと、例えば、華南海鮮市場や雷神山病院、最前線で奮闘した医療従事者や専門病院を建設した人などもそのままドキュメンタリーに描くのだ。」

と、竹内さんはインタビューでそう言った。

国内では新型肺炎との闘いに関するドキュメンタリーも少なくないが、外国人が撮影したものを見たのは、私にとって初めてのことだった。

このドキュメンタリーを見た後、私は武漢人の犠牲や痛みに心を痛め、彼らの勇敢さや強靭さに感動した。でも一番の感想は、やはり監督の竹内さんへの尊敬の念だ。

なぜなら、彼は敢然と偏見を捨てたのだ。

世の中で偏見はどこにでもある。

偏見が起こることは中国国内とて例外ではない。コロナの新規感染者がゼロでも、町の封鎖が解除されても、武漢は「コロナウイルスの街」なのだ。

「お客さんは武漢の品物だと知ったら、すぐ注文をキャンセルしてしまうんだよ。」

と、この前に雷神山病院の建設に参加したある労働者はドキュメンタリーで竹内さんに対し、苦笑いをしながら仕方なさそうに言った。

海外において、迅速に感染拡大を抑制しても、難しい局面を乗り越えても、中国は「新型コロナウイルスの発生源だ」というレッテルを貼られた。多くの外国人は中国人を「ハイリスク・グループ」にし、公然と中国人を差別している。更に、ある国は「新型コロナウイルス」を「チャイナウィルス」と呼び、公に中国への偏見を示している。

世の中で偏見はどこにでもあるという前提の下で、異邦人としての竹内さんは積極的に偏見を捨て、未知への恐怖を克服して武漢に行った。それから、現地調査を行って現状を知り、ドキュメンタリー映画を作って客観的な情報を全世界に伝えた。これは尊敬すべきことではないだろうか。

私は竹内さんを尊敬する。そして、竹内さんのような人になりたいとも思った。

私は将来、竹内さんのように偏見を捨て、積極的に現場に行き、現物を手に取り、現実を自分の目で見て確かめたい。そして中日両国のパイプ役になりたい。実際の日本の社会を自分の目で見、耳で聞き、心で理解し、中日両国の国民がお互いに対する誤解や偏見を失くし、真の友好関係が築けるように。

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