血縁の力

陳科源 浙江越秀外国語学院

 

約一年前、『鬼滅の刃』というアニメを見た。このアニメは炭治郎が復仇のため、鬼殺隊に参加し、鬼を滅殺する物語だ。

家族を全て殺された炭治郎は仇を討つには、人を鬼に変えられるという力を持っている鬼舞辻無惨を追い続いていく。この恨みはこのアニメを見て同じ感覚が出る。実は、中国は「命」という熟語もあり、つまり、人を殺したら人殺しの命で償ってもらう。地理位置が遠い中国でも日本でも、あるいは世界中、この理は同様だ。人は社会生物として様々な団体で生きる。その中に最も親密な団体は家族だ。なぜなら、家族は自分と血の絆に繋がっている人で、他の人より自分のことを考えている。さらに、人が生まれる時、この関係が成り立つ。親が子を育てると共に、自分の生き方や生活態度や意志などを子に教える。だから、家族の関係は最も長く、強く、固いのだ。

アニメの第十九回で一つインパクトシーンがある。炭治郎は死にそうな時に、鬼の妹――禰豆子は兄を助けるために自分の力を目覚めた。炭治郎は禰豆子にとっては唯一無二の家族であり、もしその能力は覚醒しないと、炭治郎は死ぬに違いない。その場面を見ていろいろと考えさせられた。今の社会は一人っ子と両親が組み合わせる三人家族が多い。では、親は死んだら、その恩返しに子はどうするべきか。昔の中国では一つのしきたりがあった。子は生まれた後、親が三年間もかけて赤ちゃんをちゃんと守り、論理を教えてあげて育ててきたため、親は死んだ後、子が墓のそばで住まい、遊びも肉もやめて三年ほど孝を尽くすということは礼を尊んでいた孔子もこのように勧められた。古人にとって、多分孔子の言った通りにすれば親の恩を返すことができるであろう。その思想は中国で二千年以上受け継いできた。今の礼は昔とのやや違うにもかかわらず、核の感情は変わっていない。人は社会の発展の速さに追われて疲れた。余裕な時間はほとんどない彼らは三年ほど仕事をやめて孝を尽くすことは無理だ。中国は清明節がある。その日になったら、みんなは墓参りする。だが、うちは清明節の他で、祖父の忌日に法師さまを誘ってきて法事を営む。これはうちのイベントだから、家族全員はその日仕事を休んで、儀式に参加することになっている。一年一回のこのイベントは十年間続けた後、三年一回に変わった。

ところで、今、親子関係の強さを笠に着て卒後は就職せずに、両親の退職金によって生きる人もいる。つまり、ニートということだ。お父さんやお母さんは一生頑張って貯金する最後、自分ではなく、子に食われた。これは考えれば考えるほど仕様がないことではないか。

最後、中国は「欲静而不止,子欲养而不待」ということわざがある。人間は老いていきつつも、時は止まらない。悔いだけは残さないように今からできることをできるだけにしたほうがいいと思う。

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