働く女性の葛藤

陳冉冉 山東科技大学

 

「今日の4時に、あのおじさん呼んでもらえないかな。部屋を片付けてほしいの」イライラとした芽衣さんの姿がテレビに映っている。これは、社会現象を巻き起こすほど大ヒットのドラマになった日本ドラマ「私の家政夫ナギサさん」の一場面だ。家事が全然できないキャリアウーマンが主役のこのドラマに、私はいろいろなことを考えさせられた。

 変貌をとげつつある現代社会で、女性は社会進出の意欲が高まっている。しかし、残念なことに、昔ながらの役割分担や仕事環境は、女性の社会進出の足かせになっている。洗濯・料理・掃除・子供の面倒といった様々な家事は女性をさんざん苦しめている。また、女性の就職差別や会社での女性差別はいまだに根強く残っている。職埸で女性を評価する際に、仕事ぶりだけでなく、外見も評価の対象になる。こうして、女性はいつも仕事と家事の板挟みの状態に陥っている。

 「女性は天の半分を支える」という諺がある。それは女性が社会で仕事の半分を担っているという意味である。しかしながら、日頃から我々は仕事と家事を両立させるという課題に頭を悩ませていることは確かであろう。家庭を大切にしようとすれば、仕事がおろそかになる恐れがあり、仕事に没頭すれば家庭崩壊のきっかけになりかねない。では、どうすればいいのか、それは考える価値のある問題だ。

 独身である主役の芽衣さんはそのような状況を解決するために、家政夫のナギサさんを雇った。その後、彼女の生活レベルが向上し、毎日おいしいご飯が食べられるだけではなく、家事の心配をすることもなくなり、快適で充実した生活を送れるようになった。

 実際、仕事を持ちながら家を切り盛りするのは決して容易なことではない。だから、芽衣さんのように家政婦を雇って家事の負担を軽減する女性がいてもいい。そして家政夫のおじさんがいてもいい。生活リズムが乱れることを懸念しつつ暮らすよりも改善策を取れば良い。私は、家庭と仕事の板挟みになった女性のための救いの手があって良いと考える。 

 企業は人材を募集する時に、性別による制限あるいは優遇を行ってはならない。そして男性も女性も肩を並べて働ける職場環境並びにより福利厚生の整った環境を与えるべきだ。また、国家は検査と法の執行力を引き上げ、特に女性社員の労働保護権益を守らなければならない、とも考える。

  生活リズムが速い現代社会、女性の社会進出も著しい現代社会において、女性特有の悩みや憂さを改善できれば、私たちはより明るい未来を切り開くことができるのではないだろうか。

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