アニメを味わい日本を知る

王奕丹 天津師範大学

 

「束のの出会いと別れ、その刹那を一つ一つ大切にしていきたいと思う。」と夏目貴志は言いました。初めて読んだときも、何年経った今も、とても優しい言葉だと思っています。

『夏目友人帳』は私が初めて接触した日本のアニメです。このアニメを通じて、日本の文化や風土や人情などをたくさん知ることができ、その上、「平凡な普通の人だけど、一日一日よく生活しなさい」という日本人の思想に深く感動しています。

幼い頃から妖が見えた少年・夏目貴志が祖母の「友人帳」を引き継ぎ、自称用心棒のニャンコ先生と共に、友人帳に縛られていた妖に名前を返そうと決めました。名前を返していくうちに、妖怪やそれに関わる人々と触れ合い、大切なことがたくさんわかってきました。この奇妙な旅の中で、茫漠とした心は温かく癒され、今でも強く優しい力を感じられます。

そして、たくさんの物語の中で、夏目と子狐の友情が一番感動しました。初めて会った時は、夏目は両親を失った子狐を助け、彼を他の妖怪からいじめられないように守っていました。夏目は、「自分はそのような苦痛を経験していたので、他の人には二度と経験させたくないです。」という気持ちを持っていたでしょう。それから、子狐は夏目に感謝するために、自分の名前を書いてあげようとしましたが、夏目に断られました。それは、子狐が使いようの奴隷ではなく、本当の友達だと夏目は思っていたからです。だからこそ、夏目が森に行った際も、子狐は夏目が探していた薬草を探すのに全力で協力してくれました。夏目の優しさで二人の友情が始まり、子狐が夏目にすばらしい誠実さが返ってきます。これは誰でも欲しがっている友情でしょう。

ほかにも、二人とも多くの試練を経験していて、親を失い、他人にいじめられ、世界に捨てられたような気がしていたしょう。しかし、彼らは諦めずに謙虚に生活して、世の万物にやさしく接して、大切な友情と成長を手に入れることができました。このように、優しく前進し、いつまでも美しいことに信念を持つことは、私が子狐と夏目から学んだことだと思います。

未知の未来に直面している私たちは、迷いや疲れを感じることがあります。日本人はこのような状況に遭った時どうしているかを、このアニメから分かるようになりました。それは、「平凡な普通の人だけど、一日一日よく生活しなさい」という強い信念で生きていくことです。毎日苦労して生きていても、諦めたことはありません。また、一生懸命自分の温度で他人を温めているうちに、他人からも優しくされてきます。その精神の裏には、命の優しさだと思います。

私もその信念で努力しようとしています。今まで、勉強に困っていたときも、人間関係に困っていたときも、誰かが自分と同じように平凡ながらも懸命に生きていると思うと、孤独が感じられなくなりました。これからもこの信念をずっと念頭に置いて、しっかり前へ進みましょう。

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