友人帳

方紅鑫 安徽師范大学

 

日本のアニメは多種多様で、日本の文化や日常生活などが伺える。そして日本人の奇想天外にもあふれている。アニメは架空の世界を築き上げたり、現実社会を反映したりして、いろいろな物事を話題にのぼらせる。また、その中から勉強できることもある。その面からみると、アニメも文学の一種類と認識してもよいのだろう。

アニメの中で、私は「夏目友人帳」というアニメが一番好きだ。「夏目友人帳」は「友人」をめぐって、優しい、おもしろい物語が綴られる。友人帳は夏目の母方の祖母玲子の遺物である。夏目は友人帳に名を書かれた妖たちに名前を返すことを通じて、様々な妖たちと出会いと別れを繰り返す。

そもそも、玲子はどうして友人帳を作るのだろうか。「友人帳」と名付けたことから、友人を作るのは一つの目的だとわかる。でも、結果から見ると、友人作りの作戦は成功とは言えない。一方、玲子と似ている夏目は人とも妖怪とも友人になった。それはなんだろうか。私の考えでは、まず、藤原夫妻の愛が客観的な要因。次に、夏目自身の主観的な要因は一大事だと思う。玲子と比べると、妖怪との関わりを持つという点は同じだが、夏目はもっと繊細で、人にも妖怪にも、いつも自ら好意を示す。また、彼は人と妖怪との相違点を気にせず、妖怪と平等に付き合っている。自分の優しさで妖怪から信用をもらった。

世の中には夏目が存在しないとそう言われるかもしれない。むろん、それは事実である。しかし、「理想は持つべきものだ」というように、わたしたちは常に現実に存在しない、美しい物事を求めている。私にとって、夏目はそのような理想的な人物だ。それに、現実に存在しないことこそ、引き付けられやすいのではないだろうか。それに、夏目からいろいろなことを勉強した。第一に、彼の友人作りの方法や考え方は参考になる。第二に、その優しさに感心し、自分も夏目のような人になりたいと思うようになった。

実は、友人作りだけでなく、家庭や職場や各国の交際においても、進んで友好的な関係を求め、違いは違いとして尊重しながら共通点を探るのは必要である。

  中国と日本は一衣帯水の友好的な隣国。そして地理からみても、文化からみても、関係の深い両国だ。私からみると、中日の間には友人帳のようなものがある。それは絆を結びつけることができる反面、誤解を招くこともできる。むろん、社会制度の違いや歴史的な原因などで中国と日本の間には相違点があるが、共通点もある。両国は相違点を尊重する上で、共通点に重点を置くことによって、ウィンウィン関係を築くことができるのではないだろうか。そして、最も肝心なのは、好意を持ち、進んで付き合い、客観的に相手国の事情を見ることだと私はそう思っている。「夏目友人帳」を通して、こういうことがわかった。最後に、中日両国はこれからも、友好関係を保つように願ってやまない。
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