人類が遺伝子操作の未来はアニメの中である

陳勝 福建省福州市山区高湖小学

 

 世界初のゲノムを編集した赤ちゃんを作り出したと主張している中国の准教授賀氏が大きな話題を呼んで、世界に波紋を広げていた。その中で、賛成派はヒト受精胚のゲノム編集によって、重い疾患の遺伝を阻止でき、病気で苦しむ人が減っていくという見解を示している。一方で、反対派は、こういう人為的な操作がはたして生物の進化なことによって、未来の児孫にも影響する可能性があると批判を強めている。

 このニュースを見た時に、テレビアニメ「機動戦士ガンダムSEED」の「コーディネーター」誕生を思い出した。

 人類はゲノム編集技術を用いれば、子供の顔面偏差値や体質だけでなく、運動能力や身長、知能指数すら思い通りに操作できる。企業家は自分のゲノムをコピーして自分自身をクローン化する。理想な相続人が作られる。ゲノム編集を通じて、生まれつき優れた肉体と頭脳を持つ新人類「コーディネーター」と、そうでない「ナチュラル」が対立し、大規模な宇宙戦争にまで発展していく。主人公のキラ・ヤマトは「コーディネーター」として、地球で「ナチュラル」の友人たちと平和に過ごそうとしているが、戦闘にまきこまれて、苦難に見舞われている。 「機動戦士ガンダムSEED」はそんな世界を描いた。

 もし、リアル世界における本当のゲノム編集の実現・普及が成し遂げられたら、目の色や高い知能など、親が望む特徴をもつる「コーディネーターベビー」のような子供に改変して、生み出す。そうでない「ナチュラルベビー」はどうする?「コーディネーター」と「ナチュラル」が友好的に共存できるか?アニメで、「コーディネーター」は生まれつき強い体力と知能の優位性を持っているから、「ナチュラル」の種族主義が蔓延し、それに伴って嫉妬心も深くなり、共存できないのが予想され、結果として、世界が混乱に陥ってしまう。

 もう一つのアニメ「翠星のガルガンティア」で、人類が遺伝子操作とナノマシンの共生化によって人類を改造して、「共生体」と呼ばれる新しい人類を作り出した。アニメで、娘は改造した父に見合う時、父が水中で軟体動物といった容姿で、娘に挨拶のシームが未だに忘れない。もし、人類は倫理と人間らしを忘れ、人道を外れるようなことをしたら、それでも人類と言えるものか? ゲノムの改造・修正に対する基準・規制がなければ、とんでもない結果となり、人間を他物にするという恐ろしい事態を招くことになる。もし、人類が遺伝子操作しない限り、過酷な環境で生きられないとすれば、むしろ人類の本来の姿として死んでしまうほうが増しだと思う。

 以上のアニメから見ると生殖目的でゲノム編集が行われることに危惧を抱いている。幸い、中国衛生部は既に、賀氏の研究が「中国の法、規則、倫理的基準を深刻に違反している」と指摘した。賀氏の主張内容を調査すると表明していた。この実験は中止された。狂った准教授賀氏が逮捕された。アニメのように新しい人類のために戦争と恐怖に満ちた世界は永遠に来ないかもしれない。

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