映画「君に届け」から中日青少年の恋愛差異を探る

劉琬 浙江工商大学

 

  最近「君に届け」という映画を見返しました。主人公は、暗い見た目から「貞子」というあだ名で呼ばれている黒沼爽子です。クラスでも浮いた存在である爽子は、周囲に迷惑をかけないように努力はしています。そんな爽子は、クラスの人気者風早翔太に憧れていました。風早のおかげで、クラスメイト達とも親しくなって、友達もできてきました。徐々に爽子は風早へ特別な気持ちを抱き始めました。けれども、単純な爽子にはこの感情が理解できず、風早の告白を断ってしまいました。しかし、友達の助けで、自分の真意を風早に届けました。

  日本の青春映画に比べて、中国のには試験のストレスや家族との喧嘩などしかありません。これは大きな差異です。中国では、思春期の恋愛は禁止されていて、中高生の恋愛は「早恋」と呼びます。「1」人々はみんな「早恋」が成績に影響すると思っているので、思春期の恋愛は勧めていません。

 中日差異の理由は何でしょうか。資料や観察や日本人の友達との交流などを通して、以下の考えに至りました。

一つ目は人口問題です。日本では少子高齢化問題が深刻なので、政府はさまざまな措置や政策を進めています。日本は国民が早く結婚して多くの子供を産む政策を推進しています。そして、ロマンチックな純愛ストーリーがたくさん作られ、青少年の恋愛が勧められています。一方、中国は世界で人口の一番多い国ですから、長年、「計画出産」政策を施行しています。青少年の恋愛が早ければ早いほど出産年齢も早くなり、国家の人口は多くなります。だから、中国は「早恋」を提唱せず、映画も「青少年の恋愛」の体裁を禁止しています。

  二つ目は外部からの影響が及ぼした原因です。日本は20世紀から西洋風がずっと浸透しています。生活用品から言葉まで西洋化しつつあります。日本人は舶来文化を猛烈に受容しました。第二次世界大戦後、日本社会は「恋愛の自由」を高唱しました「2」。中国の青少年より日本はオープンです。しかし、中国は1976年に「改革開放」が始まってから、人々は初めて欧米の風物を知りました。それゆえ、両国では家庭理念や教育方式や社会風紀が大きく違います。

  三つ目は生理の差異です。日本は前世紀九十年代から先進国になりましたが、中国は今まだ発展途上国です。国民の栄養摂取や身体発育の事情が違います。中国の同い年より、日本の青少年の方が性発育の時期が早いです。関連する研究によると、日本の青年の性成熟年齢は中国より、普通12年早いということです「3」。そのため、思春期の恋愛の衝動や異性間の親密な接触は容易に早く発生する可能性があります。

  これは卑見です。日本政府はずっと出産を奨励する立場に立っています。中国も今、徐々に「計画出産」政策を緩めていますが、数十年後には、国民の出産を奨励するかもしれません。その時に、中国の青春映画の中に中国らしいキャンパス純愛作品が生まれるでしょう。

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