豊鎬から長安へ

蔡夢瑶=文

西安市文化・観光局=写真提供

 

600年以上の歴史を持つ西安の古い城壁は今、市民たちが日常的に散歩やのんびり過ごす場所になっている

  西安は黄河の中・上流域に位置しており、西から東へ横断する黄河最大の支流・渭河のかんがいにより、肥沃な土壌が広がっている。この一帯は古代中国文明の重要な発祥地の一つであり、100万年前からすでに人類が生息していた。中国の南北の境界である秦嶺山脈が南にあり、北の黄土高原と合わせて二つの自然の障壁を作り上げている。その間に位置する西安市は平たんな地形で、古くから発達した水陸交通網で全国とつながっている。

  優れた地形に引かれて、歴史上13の政権がこの地に都を建てた。中でも周、秦、前漢、隋、唐はいずれも、中国史上よく知られている王朝だ。