観光客でにぎわう都の夜

大唐不夜城のある曲江新区には、大明宮遺跡や曲江池遺跡などの文化観光エリアが多く含まれている。漢と唐の文化体験を望む観光客にとって定番の観光スポットだ

  現在の西安は各地から観光客を集めている。夜になると、大雁塔の下にある歩道はイルミネーションがきらきらと光り、まるで昼間のような明るさだ。街の両側にイルミネーションで金色に輝く唐風の建築物、「貴妃稠酒(キンモクセイ風味の米酒)」を売っている飲食店、漢服を着て行き来している人々、遠くの人ごみの中から聞こえてくる唐風の歌声……。まるで唐の時代に身を置き、詩人に描かれた百花繚乱の長安城に迷い込んだようだ。


大唐不夜城の「だるま姉さん」などの爆発的人気を持つ文化IPに関する動画は、SNSでの再生数が延べ50億回を超えた

  ここは大唐不夜城というエリアで、盛唐の文化を隅々まで取り入れ、さらに現代技術を活用し、唐の治世の光景を再現している。唐の宮仕えの女性を演じる「だるま姉さん」は袖をなびかせて踊り、観光客と握手する。街頭にたたずむ「人間兵馬俑」の両足が地面から離れて空中に浮く様子は観光客の目を奪う。近年、大唐不夜城は新しい文化IP(知的財産)を続々と生み出し、インターネットを通して知名度を急速に上げている。昨年、中国社会科学院が公表した「都市夜間旅行影響力トップ10」の中で、西安大唐不夜城は第1位となった。


大唐不夜城の歩道者天国では数十㍍ごとにステージが設けられ、一年中さまざまなパフォーマンスアートや文芸ショー、山車のパレードが行われている

  西安は「2019年東アジア文化都市」に選ばれた後、シルクロード文化、年越し行事などの無形文化財、文学・芸術などといった地元文化を巡ってさまざまな国際交流活動を催し、日本や韓国などの東アジアの国との友好交流をさらに推進している。19年、西安は延べ3億人以上の国内外の観光客を受け入れた。2000年前の長安と同じように、現代の西安は依然として「国際都市」であり、そしてさらに現代的な姿で、各地からの客を迎えている。


大唐不夜城の近くにある曲江池は唐の時代、長安の人気観光地だった。現在、ここには遺跡公園が造られ、曲江池の周りも2000年前と同じように観光者でにぎわっている