文・写真=黄沢西

「採れたてのイチゴです。どうぞ」と微笑みながら誘ってくれた張徳賢さん(40)は、1800ムー(1ムー=0.067ヘクタール)の敷地面積を誇る、涼山イ(彝)族自治州(以下、涼山州)昭覚県九如生態イチゴ栽培園の総責任者です。
ビニールハウスで生まれたての赤ちゃんのように大切にされているのが、「夏イチゴ」という品種。収穫時期が長く(4〜12月)収益も高いのですが、栽培条件がかなり厳しいため、中国全土でも4万ムーしか栽培されていないという希少種です。


19年、張さんは「東西部扶貧協作(東部・西部地区間のペアリング支援方式による貧困救済)」という政策で涼山州に居を構えました。この地でなにかできることはないかと調べるうちに、標高が高くて気候も適切な涼山州は夏イチゴの生育に最適だと気づき、起業を決意したそうです。1パック13元で売る夏イチゴは売れ行き好調で、現地の人々を雇うことで、雇用問題の解決と貧困救済にもつながったといいます。

人民中国インターネット版 2020年8月28日