呉文欽=文・写真
寧蒗県貧困支援住居移転計画定住先「幸福家園」
雲南省寧蒗イ(彝)族自治県では現在、敷地面積16万平方メートルの住宅地が人の注目を引いている。周辺には小涼山学校や中医学の病院、市場なども整備され、地元の人たちから、県都の発展リソースが最も豊かな「ゴールデンゾーン」と呼ばれている。
近年、貧困脱却の堅塁攻略という目標を達成するために、寧蒗県はこの地域に雲南省北西部最大の移転定住先となる貧困支援住居移転計画「幸福家園」第3期の建設工事を行っていた。この工事は2019年3月に開始され、10月に竣工し、現在、貧困世帯と認定された1521世帯の6653人がここに移住している。「ここは以前住んでいた日干しレンガで造られた村の家に比べて、衛生条件も生活環境も何倍もよくなりました」と、今年44歳になる楊春華さんは、新居の応接間を見回しながら記者に言った。
寧蒗県は雲南省の27の重度貧困県の1つであり、貧困家庭の多くは生態系が貧弱で、公共サービスが不足し、発展条件に乏しい厳しい環境に暮らしていた。この問題を重点的に解決するために、政府は「貧困支援住居移転計画」を打ち出した。
住居移転をした他の貧困世帯に比べると、楊春華さん一家の状況はさらに特別だった。数年前、突然の口内疾患のため、もともと貧しかった一家はさらに10万元余りの借金を背負うこととなったのだ。「当時私たち家族はジャガイモやソバの栽培をしていて、年収は1万元くらいしかなく、基本的な衣食にも事欠く状況でした」と楊春華さんは言う。
寧蒗県は「貧困支援住居移転計画」を推進すると同時に、移転者の就業訓練も行い、新しい生活環境での生活の安定を図っている。楊春華さんと妻の張秀珍さんは今、「幸福家園」に80平方メートルの快適な生活空間をもつだけでなく、地元の福祉機構とホテルでの仕事も得ている。「昨年『幸福家園』に引っ越してきてから、私たちの仕事と生活は大きく変わり、夫婦の1カ月の収入は6000元余りにまで増えました。昔には想像もできなかったことです」と、楊春華さんは嬉しそうに語る。