現代化農業で貧困移転者の就労を後押し

李家祺=文

雲南省怒江リス(傈僳)族自治州(以下、怒江州)は中国南西部の辺境に位置し、土地の98%が高山や峡谷だ。険しい地形と交通の不便さのため、中国の極度貧困地域の一つとなっており、村民の多くは山奥に暮らし、安定した収入源がない。2015年に貧困脱却の難関攻略戦が始まって以来、移転政策が実施され、生活環境の厳しい地域で暮らす貧困者たちをより住みやすい地域へ移転させ、移転先での生産生活条件を改善し、収入源を増やすことで、移転者の貧困脱却を助けようとしている。現在、怒江州では約10万人が移転を終えており、これは全州人口の五分の一近くを占め、その割合は全国で最も高い。

 

怒江州

楊建明さん(32)は怒江州蘭坪県通甸鎮の人だ。以前、楊さんの家は標高2700メートルの高山地帯にあり、家のそばに小さな畑があるものの、山地では農業用水の確保ができなかったため、木の伐採や運搬の仕事で何とか食いつないでいて、年間収入は23000元ほどしかなかった。

 

楊建明さん(写真李家祺)

20184月、楊建明さんは通甸鎮にある移転者用住宅に引越した。2018年の年末、陝西海昇果業発展社は蘭坪県の海昇現代農業産業園プロジェクトを一対一で支援する協定を結び、移転者用住宅から車で10分もかからない場所に産業園を設立した。20194月、楊建明さんは産業園に就職し、果物の苗の育成係となった。彼はいち早く技術を習得したため、今年1月、楊さんはリーダーに抜擢され、ブルーベリーハウスの生産管理を任された。「現代化農業の生産方法を見たことがなかったので、とても新鮮で、一生懸命勉強しながら仕事をしています」と楊さん。現在、楊さんの年収は78万元にまで上り、貧困からの脱却を実現した。

 

蘭坪海昇郷村振興現代農業産業園の様子(写真李家祺)

データによると、園内で働く人の約70%は移転者で、産業園の設立は彼らの就労問題の解決に大きな役割を果たしている。産業園側は従業員のための送迎バスも手配し、従業員の通勤の便宜を図っている。

 

産業園で働く人たち(写真李家祺) 
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