新疆の歴史に関する幾つかの問題(四)

三、新疆の各民族は中華民族の構成部分である

中華民族の形成と発展は、中原地区の各民族とその文 化が周辺諸族とその文化と絶えず往来、交流、融合する 歴史的過程である。先秦時代の華夏エスニックグルー プは、長期にわたる周囲のエスニックグループとの多 岐にわたる融合、とりわけ 500 年余りにわたる春秋 国時代という大激動期の合流と融合を経て、秦漢時代 になると、さらに一歩進んで周囲のエスニックグルー プと一体になり、中原地区の人口が多数を占める漢族が 形成され、その後中国の歴史の歩みにおいて主体となる 民族になった。魏南北朝時代、各民族とりわけ北 方の少数民族は中原地区に大規模に移動し、大融合の局 面が現れた。13 世紀に元王朝が建てられ、空前の政治統一の局面はかつてない規模の民族の移動を推し進め、元 王朝領土内で広範な民族が雑居する局面が形成された。 長期にわたる発展を経て、中華の各民族は最終的に広い 範囲に分散雑居しており、同一民族は集まり住むという分布の特徴を形成した。多民族であることは中国の大き な特色であり、各民族は共に祖国の美しく広大な国土を 開拓し、共に悠久の中国の歴史、輝かしい中華文化を創造してきた。

新疆地区は古くから中原地区と密接な関係を保ってい た。早くも商の時代に、中原地区と西域は玉の取引を行っ ていた。漢代に張騫は「西域への道を開き」シルクロードを通じさせ、使者同士が道で出会い、商人や旅人が道 に絶えることがなくなった。唐代には「絹馬交易」が引 き続き繁栄し、「参天可汗道」は内地に直接通じ、その 沿道には宿場が多く分布し、西域の祖先が中原地区と密接な関係を保つ絆となっていた。于闐楽、高昌楽や胡旋 舞など西域の楽舞が宮廷に入り、長安には西域の情緒が あふれていた。現在の新疆ウイグル自治区クチャ(庫車)県に生まれた亀 茲楽は中原地区で人気があり、隋から宋代までの「燕楽(宮廷の宴会用音楽)」の重要な構成部分であった。近代以降、中華民族は存亡の危機に 立たされ、新疆各民族人民は全国人民と共に、奮い立っ て外国の侵略に抵抗し、国難にあって馳せ参じ、共同で 感動的な愛国主義の 1 章を書き上げた。新中国成立以降、新疆の各民族の関係は平等、団結、助け合い、調和の新 たな時期に入っている。

新疆は古くから多くの民族が集まり住む地区である。 最も早くに新疆地区を開拓したのは先秦から秦漢時代にかけて天山南北各地で暮らしていた塞人、月氏人、烏孫人、 羌 人、亀茲人、焉耆人、于闐人、疏勒人、莎車人、楼蘭人、車師人および匈奴人、漢人などであった。魏南北朝時代の鮮卑、柔然、高車、嚈噠、吐谷渾、隋唐時代の突厥、吐蕃、回紇、宋金時代の契丹、元清時代の蒙古、女真、タングート、カザフ(哈薩克)、キルギス(柯爾克孜)、満州、シボ(錫伯)、ダフー ル(達斡爾)、回、ウズベク(烏孜別克)、タタール(塔塔爾)族など、いずれの歴史上の時期においても漢族を 含む異なる民族の数多くの人々が新疆地区に出入りし、 各種各様の生産技術、文化観念、風俗習慣をもたらし、 交流と融合の中で経済と社会の発展を促進してきた。彼 らは新疆地区の共同開拓者である。19 世紀の末になると、ウイグル、漢、カザフ、蒙古、回、キルギス、満州、シ ボ、タジク(塔吉克)、ダフール、ウズベク、タタール、 ロシアといった 13 の主要民族がすでに新疆に定住しており、ウイグル族の人口が一番多く、多くの民族が集ま り住むという分布の構図が形成された。各民族は新疆地 区で誕生成長、分化、交流融合を経て、血は水より も濃い、苦楽を共にするという関係を形成してきた。各 民族は皆新疆の開拓、建設、防衛に重要な貢献を果たし ており、新疆の主人公である。現在、新疆には 56 の民族が暮らしており、中国で民族が最もそろっている省級 行政区の一つである。そのうち、100 万人を超えているのはウイグル族、漢族、カザフ族、回族の四つの民族で あり、10 万人を超えているのはキルギス族、蒙古族の 二つの民族である。新疆地区は新疆の各民族のふるさと であるのみならず、また中華民族の共通のふるさとの構成部分でもある。

新疆地区の民族関係の変化発展は、終始一貫して中 華の各民族の関係の変化発展と関係している。各民族 間にはわだかまりと衝突もあるが、それにもまして交流 と融合があり、団結して一丸となり、共に奮い立って前 進することは一貫して主要な方向となっている。新疆の各民族を含む中華の各民族は、その分布においては交錯 雑居しており、経済的には互いに依存し、文化面では互 いに異なるものを受け入れ、気持ちは互いに親しみ合っ ており、持ちつ持たれつで、誰も離れることができない多元的で一体化した構図を形成しており、一つの大家族 における各メンバーの関係というものである。中華民族 の大家族の中で、新疆の各民族は兄弟のように親しみ合 い、互いに関心を寄せて事があるときに助け合い、苦楽を共にし、栄誉も恥辱も分かち合い、共に生産生活を 営み、外部からの侵略に抵抗し、民族の分離に反対し、祖国の統一を擁護している。

 

人民中国インターネット版 2019929

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