第三国市場協力が目玉に

 
中国国際貿易促進委員会会長 高燕=文

 

 第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが4月25~27日、北京で開催された。「一帯一路」構想が打ち出されてから今日まで5年の間に、全体像が完成し、サークルはますます拡大し、貿易交流はますますスムーズになり、産業ベルトはますます広がり、連絡網はますます緻密になり、「共同協議、共同建設、共同享受」の理念は深く人の心にしみ込み、沿線諸国の人々に実際的な利益と達成感をもたらしている。とりわけ、第三国市場協力は「一帯一路」共同構築にもたらされた新たなモデル、新たな目玉となっている。


企業参加のプラットフォーム


 企業は「一帯一路」の重要な実践者であり、パイオニアであり、受益者でもある。過去数年、中国国際貿易促進委員会(以下は貿促会)は中国最大の貿易投資促進機関として、貿易投資促進事業を全面的に強化し、ビジネス関連の法律面のサービスを絶えず拡大し、発展させ、「一帯一路」の基礎を突き固め、枠組みを構築し、順調な発展のために積極的に貢献してきた。


 今年は「一帯一路」構築の事業を深化させ、具体化し、安定的な将来を展望する上で鍵となる年である。貿促会は国内外企業のためにさらに多くのプラットフォームを構築し、さらに多くのサービスを提供し、「一帯一路」共同構築の、質が高く、高標準、高レベルの発展を促進する。今回のフォーラムでは、貿促会は主導して「一帯一路」企業家大会を開催し、商談のマッチングとプロジェクトの成約に尽力した。

すでに協力基金を共同設立


 現在、第三国市場協力がすでに中国と先進国の「一帯一路」共同構築の新たなモデルになっている。双方が手を携え、自国企業の強みを発揮し、互恵・ウインウインを実現する。実際、中国と他国との第三国市場の共同開発はすでに、関係国との第三国市場協力基金の設立を含む一連の成果を上げている。 

 
 中日両国の東南アジア諸国連合(ASEAN)における第三国協力を例に挙げると、ここ数年、中日両国はこの地域で激しい投資競争を展開している。プロジェクトの「悪意競争」は三方損につながる。競争入札企業株価が市場価格を抑圧し、同業者の利益を損ない、正常な市場秩序をかく乱する。また、その企業自体もかなり大きな経営リスクに直面し、長期的な発展にも影響する。さらに、プロジェクトが展開される国も激しい入札競争によって、プロジェクト自体の流産につながり、最終的に巨額の機会費用を負担せざるを得ず、発展のチャンスを取り逃がすことになる。

 

 日本はASEAN最大の投資出資国であり、第2の貿易相手国である。一方、中国はASEAN市場の「優秀な新人」である。ここ十数年来、中国とASEANの経済貿易協力は飛躍的に発展し、今では第1の貿易相手国になっている。今、ASEAN市場の強者である中日両国が手を携え始れば、互恵・ウインウインを実現し、三方の人々に幸福をもたらすだろう。


 中日の第三国協力に伴って模索され、形成された制度的な政策保障と協力プラットフォームも、中国と先進国が「一帯一路」を共同構築し、この面での協力をさらに推進し、結果を生み出す上で有利な条件を作り出している。

 

東南アジアで中日協力推進

 

 日本政府の「一帯一路」に対する姿勢は2017年から次第に前向きになり、18年5月、李克強国務院総理と安倍晋三首相が立ち会う中、両国は「第三国における日中民間経済協力に関する覚書」に調印し、中日経済高級事務レベル対話の枠組みの下で、中日第三国市場協力事業メカニズムの構築で合意した。貿促会も幸いなことに、この事業メカニズムの構築に参加し、関連事業を推進することになった。

 

 目下、双方は「企業主体、市場運用、政府指導、相互信頼・互恵」の原則にのっとり、企業交流とプロジェクト協力を全力で推進する。主に以下の3点を考えている。①当面、東南アジアを優先地域とし、協議によって一部市場が比較的に開放的な国を重点とし、条件が整い次第、その他の地域に広がる。②プロジェクト実施国の持続的な発展にふさわしく、民生改善の効果が顕著で、資金調達が確実で、かつ経済的利益の保障がある優良プロジェクトを選択し、インフラ整備、国際物流、省エネ・環境保護、新興産業、医療保健等の分野で第三国協力を強化する。③両国企業が資本提携、株の相互持合い等の形式で共同投資を行い、合同入札、相互業務委託等の形式で、第三国でのインフラ整備プロジェクトに参加し、合同研究開発、デザイン・コンサルティング等の技術系協力に取り組むよう奨励する。


 貿促会は中日の第三国市場協力を極めて重視し、ジェトロ、日中経済協会とそれぞれ覚書に調印し、積極的にシンポジウム、商談会、プロジェクト・プロモーション・イベント等の経済貿易イベントを積極的に組織し、両国企業の第三国市場協力展開のためにプラットフォームを構築した。

 

 今年4月初め、バンコクで、貿促会はジェトロと中日第三国市場協力シンポジウムを共同開催し、中日タイ3国の政府部門、外交機関、企業代表を招き、タイ東部経済回廊における第三国協力事業拡大について討論し、合わせて現場でのビジネスマッチングを促した。中日タイの多数の企業が積極的に参加し、3国の商工界の経済貿易協力に対する熱意を反映していた。席上、3国の関係者はいかにしてスマートシティ、高速鉄道、港湾、空港などのプロジェクト協力を展開すべきか、タイ東部経済回廊を中日第三国市場協力のモデルプロジェクトとして打ち出すことについて話し合った。

 

人民中国インターネット版 2019426

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