第4回世界科学技術・発展フォーラムの関連イベントの一つとして、11月28日に科学・産業変革フォーラムが中国の成都市で開催された。本フォーラムは科学技術発展の先端技術分野をめぐり、院士・専門家・企業の代表を招き、産業発展の新たなトレンドをシェアしながら、成都市の発展の新たなチャンスについて議論が行われた。 

中国科学院の汪衛華院士は、材料遺伝子工学はマテリアル革新型研究開発の新たなモデルをもたらしているとし、「ハイスループット計算・試験方式やマテリアルビッグデータ技術に基づく材料遺伝子工学は、マテリアル研究開発周期を半分に短縮し、研究開発コストを半分に削減し、『経験に基づく実験』から『計算・実験・データ』の三位一体モデルへの転換を実現することにより、材料分野の変革を引き起こすだろう」と指摘した。 

人工知能（ＡＩ）の未来について、電子科技大学人工知能研究院の首席科学者、日本工学アカデミー会員、欧州科学アカデミー会員の任福継氏は、「この30年近くで、ビッグデータを原動力とするＡＩの発展は本質的にＡＩが持つ根源的問題を回避した。今後30～60年間、ＡＩの発展方向は理解をベースとし、脳機能・心・意識を持つ先進的なＡＩになる」と述べている。 

ＩＶＤ（体外診断）産業の発展に対し、中国科学院の徐涛院士は、従来型方式の新たなトレンド、ＰＣＲ検査技術の新たな方式、現在の技術革新における新たな挑戦を主な道筋として、免疫クロマトグラフィーや単分子検出など多くの技術の顕著な特徴、実際的応用や発展のすう勢を読み解いた。 

「双碳」（カーボンピークアウトとカーボンニュートラル）戦略を背景に、中国のエネルギー業界はモデルチェンジと発展を推し進めている。西南石油大学の趙金洲教授は、「双碳」目標を実現するためのエネルギー構想について説明し、「双碳」の実現は一足飛びに成し遂げられるものではなく、安全性、バランス、秩序にのっとり、エネルギーの安全を保障し、エネルギー構造を最適化し、省エネ・排出削減を強化すべきだと考えている。 

科学対話のパートでは、学界、企業界、投資界の専門家・学者・企業の代表が、未来産業と成都市のチャンスについて各自の見解を述べた。 

ＡＩ産業は成都市の重点分野の一つである。任福継氏は、「成都市の豊富な歴史文化資源、絶えず流入するハイレベル人材などの後発優位性と人材面での強みを生かすことで、成都市におけるＡＩ産業の未来は大いに可能性がある」と考えている。 

アリババグループ戦略発展部の張斌総経理は、「テクノロジーの新たな波が訪れる中、成都市は多層的な優位性を持っており、産業面では電子情報、生物医薬などの分野での基礎が強固だ。また、受け皿の面では、数多くの大学院や研究機関があり、非常に多くのプロジェクトを担うことができる。さらに、人的リソースの面では、成都市の住みやすさと働きやすさが多くの人材を引きつけている」と述べた。 

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