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カンフーで伝説の「点穴」を体験

 

必要なのは天賦の才

中国のカンフー小説の読者なら、きっと「点穴」という言葉はなじみ深いだろう。人の急所にあたるツボを指で衝くことで、経脈を遮断し動けないようにする技だ。伝説の世界にしか存在しないと思われる技だが、なんとそれを習得している人がいた。

少林寺の関係者によると、「点穴」は少林寺カンフーの一種で、非常に難しいという。それを習得するためには、カンフーの深い造詣が欠かせないが、それ以上に必要なのは天賦の才。今「点穴」を身につけている人はごくわずかで、蔡玉建さんはそのうちの一人だ。

突然の激痛

蔡さんは今年50歳。カンフーの名家である梁以全と陳子亮に相次いで師事し、何十年もの練習で徐々に「点穴」を習得した。しかし蔡さんはその後、カンフー界から引退し、2000年に鄭州で技術関係の会社を設立、数年後には香港にも進出した。そのため彼の「点穴」の絶技は、あまり人に知られることはなかった。

「点穴」を確認するために、漢方医の専門家2人と蔡さんを訪ねた。さっそく蔡さんに「点穴」を体験したいと言うと、蔡さんは左手の指で私の右脇をすばやく押した。すると右脇とお腹が内臓が絞られたような激痛に襲われたように感じ、首が麻痺して呼吸もできなくなり、叫ぼうとしても声が出ず、手を動かそうとすると痛みはさらに激しくなる。蔡さんはそれを見て、わたしの両方の肩と脇の下、背中をたたき、身体を曲げて気を吐くように言った。すると激痛は一瞬にして消え、何も起らなかったように元に戻ったのだ。

人の急所を狙う攻撃的な武術

蔡さんは、「もし1分間、『解穴』しなかったら、あなたは床に倒れ、もし5分間だったなら重大な損傷を負ったでしょう。『点穴』は攻撃的な武術で、人の36カ所の急所を狙い、もし『解穴』しまいと、相手は大きな損傷を受けます。また『点穴』を衝かれた人は大きな痛みに襲われますが、病院では治らず、無謀にマッサージなどをすると病状が悪化するのです。私はさっき指に力を入れてあなたのつぼを押しましたが、もし私が触るとか揉むという方法を使ったなら、あなたの体への損傷はさらに大きくなったでしょう。『点穴』の上手な人につぼを押されると、その時は痛みを感じなくても、数週間後に痛みが強くなります。そのため『点穴』の達人たちは、知らない人と握手はせず、知り合いともただ相手の指を軽く握るだけです」と話す。

カンフー小説で有名な作家の金庸氏は、蔡さんに「点穴」について詳しく尋ね、見せてもらったこともある。金庸氏の小説では、所々「点穴」に触れている場面があるが、「点穴」を衝かれた人は動くことはできないが、話すことはできる。しかし実際に「点穴」を衝かれた場合は、話さえできないということに金庸氏はすごく驚いたという。

 

「チャイナネット」2009年2月24日

 

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