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「胡同の家」は、主に什刹海地区に集まっている。辺りには、胡同の四合院が数多く残り、北京市の文化観光資源が集中する場所となっている |
2008年北京オリンピックはすでに終了したとはいえ、ホームステイ形式で旅行客を迎える「オリンピックの家」の人気ぶりは、いっこうに衰えない。最近では、北京市西城区に「胡同の家」が出現し、北京の伝統住宅「四合院」の家庭を舞台に、北京文化の味わいを伝え、国内外の旅行客に喜ばれている。
世界の旅行客を魅了する小型の四合院
60歳に近いフリアン氏は、武漢神龍汽車有限公司のフランス人スタッフであり、ベラ夫人とともに大の中国文化好きである。2月末、二人は週末の休暇を利用して北京旅行にやってきた。フリアン夫妻は、今回の旅行については、詳細な計画を立てていた。中国式の古典的な家具を買う、北海公園と景山公園の見学、北京ダックを味わう、などである。また、これまでの旅行と違い、二人は宿としてホテルでなく、西城区什刹海ほとりの「金絲居」という家を選んでいた。
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「金絲居」の温かい歓迎を受けるフリアンとベラさん夫妻 |
「金絲居」は、典型的な北京の四合院住宅であり、面積は、300平方メートル、主人の荊継昌さんは、代々ここで暮らしている。2003年前後、北京には胡同(北京の昔ながらの横丁)観光ブームが沸きあがり、荊夫婦は、自宅の四合院を利用して、ホームステイ形式の観光を始めた。その後、北京オリンピックと北京パラリンピックの準備および開催にあたり、多くの人が北京観光に訪れるにつれ、荊夫妻は、申請を経て「オリンピックの家」として認められ、彼らの家の観光は火がついたような人気になった。特に多くの外国人観光客がこの場所を好んだ。
フリアン夫妻は、友達の紹介でここを知り、「金絲居」で楽しく過ごした。朝、主人は、二人のために、ミルク、コーヒー、パンなどのウェスタンスタイルの朝食を用意し、さらに目玉焼きまでこしらえた。「この家がとても好きです。庶民の北京人とおしゃべりして、北京人の暮らしを肌で感じることができ、伝統的な四合院の感じも体験できます。次に北京に来たら、またここに滞在したいわ」と夫人はいう。
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香港から訪れた旅行者が持っていた自由旅行のガイドブックには、「金絲居」が細かく描写されている。荊さんは「ここは私の家だよ」とうれしげに指をさす |
朝食のあと、フリアン夫妻はリュックを背負い、北京めぐりに出かける。そのあと、香港からの数人のお客が見学に訪れ、そのうちの一人は、ガイドブックを手にしており、なかには荊家の四合院が細かに紹介してある。
そのあとには、イギリスの男性が通訳を伴って訪れた。ひっきりなしのお客の来訪に、荊夫妻は動きがとれないほどである。
荊さんによると、彼の家では、同時に十人を受け入れることができる。オリンピック、パラリンピックの期間には、家は常に満員だった。いま、オリンピックが終了しても、旅行客は減らず、相変わらずの人気ぶりだ。
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