現在位置: ニュース>社会
日本の若い男性が「草食化」 経済低迷の産物?

 

日本の若い男性の女性化は日本に大きな問題をもたらしている。だが日本政府のこの問題への取り組みは立ち遅れているようだ。「国際金融報」が伝えた。

人であふれる東京の町並みを歩いて気付くのは、男性と女性の区別がよくわからないということだ。日本の若い男性の見た目が女性化していることは間違いない。日本のテレビ番組を見ても、「男らしい男性」が日増しに少なくなっていることがわかる。男性の女性化現象がもたらすアジア最大の経済国への影響はますます高まりつつある。

「男性の女性化は流行の問題であって、経済への影響というのはおおげさだろう」という人もいるだろうが、それは間違いだ。日本企業を支えてきた「武士」たちの女性化は、出生率低下と消費低迷という日本経済の二大問題に直接影響することになる。日本経済のデフレがさらに進めば、選挙をいくら重ねてもこれを解決するのは難しいだろう。この問題は、麻生首相が政令を出してすぐに解決できる問題でもないし、日本経済の行方を占う投資家が簡単に把握できる問題でもない。日本の若い男性の中性化が多くの問題を日本にもたらしつつあることは確かだが、日本政府によるこの問題への取り組みはおろそかになっている。

社会評論家の深澤真紀氏は06年、「男らしさ」を失った若い男性たちを「草食系男子」と命名した。『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』の作者である牛窪恵氏によると、日本の20歳から34歳までの若い男性の3分の2は「草食系男子」に属する。牛窪氏によると、「草食系男子」は、「頑固でワーカホリック」という20世紀の男性観が生み出したものだと言える。草食系男子は会社勤めを好まず、同僚とアルコールを飲んだり女性を追いかけたりするのも嫌がる。仕事への興味が薄い代わりに、個性的な服装や化粧のテクニックにはこだわりがあり、母親とよく買い物に出かけたりもする。

日本社会は大きく変化した。評論家によると、「草食系男子」は生活に対する反逆行為であり、その元凶は彼らの父親にある。バブル崩壊後に信じるものがなくなったことの結果でもある。だがこのことは、女性の地位が上がっていることのシグナルでもある。

35歳以上の日本人は、1990年以前のバブル経済の時期に生活を謳歌(おうか)した。お金儲けがたやすく消費に明け暮れたこの時代を懐かしむ人は多い。どこもかしこもチャンスにあふれ、民族的な誇りも強かった。だが歳月は全てを変えた。

90年代から今世紀にかけて広がったデフレにより、日本人の生活レベルは下がった。雇用制度にも歴史的な変化が起こり、いわゆる終身雇用制はなくなった。アルバイトなどの非正規雇用で働く人も急増した。給料も減り、福利も削られ、正規雇用率は大きく低下した。

日本の出生率の低さはよく話題になる。調査によると、祖先を継ぐといった伝統的な習慣に対する日本の若者の興味は大きく減っており、若者の労働力不足は深刻化している。高齢化も年々進んでいる。日本の債務の大きさも見過ごしにできない問題だ。日本の債務残高はGDPの2倍を超える。日本版サブプライム危機も一触即発だという。

人口減少と債務危機は消費の低迷をもたらす。若者の多くが生活習慣を変えていることには、過労死の減少というプラスの側面もあるだろう。だが男性が伝統的な「男らしさ」を失っていることは、年間3万人という自殺者の規模を倍増させるかもしれない。日本では現在、若者労働力の不足や社会の不安定化を解決するために政府が具体的な措置を取っているというニュースはほとんどない。

 

「人民網日本語版」2009年7月3日

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850