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道上公使インタビュー

 

(三)環境、省エネ取り組みと協力

在中国日本大使館の道上尚史公使

――中国は今環境問題の試練に直面しています。日本もかつて深刻な公害を経験しましたが、どうやって克服できたのでしょうか。

日本は60年代公害が深刻で、各地に公害病が発生し、死者も出ました。市民、政府、企業の三者が非常な努力をし、大気や水の汚染、騒音は80年代初めまでには相当よくなりました。比較的短期間で目に見えて改善しました。煤煙や汚染で黒かった空や海が自然の青に戻り、魚が住めるようになりました。地元の市民の、「自分の生まれ育った海、空、街をきれいな自然に戻そう」という意識が肝心だし、環境破壊の深刻さを一般国民に伝えたメデイアの役割も大きかったと思います。

――地球環境や省エネへの日本の取り組み、さらに日中協力の例を紹介して下さい。

地元の大気、水の問題だけでなく、地球温暖化、砂漠化、酸性雨等地球規模の環境問題や省エネについても、日本は世界を主導してきました。小学校でも教えています。「二酸化炭素排出を減らし、無駄なエネルギー消費を減らすためには毎日どうしたらいいか」を討論し、子供たちが「冷暖房は控えめに」「過剰包装をなくす」「こまめに電気を消す」と教え、法律制度だけでなく、一人一人の意識を変えていくことが重要です。二酸化炭素排出の少なさで、日本は世界トップレベルです。

将来の世代、地球の未来のため、環境保全や省エネは、中国を含めたすべての国が真剣に取り組むべき課題です。日本の経験が中国の参考になればありがたいです。

中国の各地方では、日本の支援を得て環境を改善するプロジェクトが多数実施されています。二酸化炭素排出を減らす製鉄所設備、水災害や干ばつの防止、都市の節水型社会モデル構築、農業面での環境配慮等々さまざまです。

 

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