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学者:鳩山氏訪中は中日間の難題解決の試み

 

領土紛争と歴史問題は中日関係の2つの難題だ。鳩山氏は日本の「元高官」の中で、この両難題に正面から向き合う最初の人物だ。(文:陳氷。新京報掲載)

日本の鳩山由紀夫元首相の訪中は、中日関係の難題の解決を試みる意図が明白だ。鳩山氏が中日間の釣魚島(日本名・尖閣諸島)係争の存在を認めたこと、南京大虐殺記念館を見学して「当時日本兵の犯した犯罪行為におわび」したことは、いずれも中日関係の核心的部分を突くものだ。

中日関係が厳冬、さらには結氷にまで緊張するのは、領土紛争や歴史問題による事が多い。過去の中日関係の冷え込みは、いずれもこの両要素のうち1つが原因だった。また、この両難題に同時に向き合うことのできる要人は日本の政界にはいなかった。だが鳩山氏は「元高官」の中で、中日関係の両難題に同時に正面から向き合うことのできる最初の人物かも知れない。

鳩山氏は中日間の釣魚島領土紛争の存在を認めた上で、領有権紛争の存在を認めなければ、釣魚島問題の対話による平和的解決はできないと日本政府に注意を促した。

鳩山氏の卓見は日本政府の見解とは異なるが、客観的で、現実に正面から向き合うものだ。鳩山氏の「個人的立場」に過ぎないとはいえ、別の考え方と道を切り開き、釣魚島問題の平和的解決に向けた現実的出口を探るよう日本政界に影響を与えうるものだ。

また、日本の戦争犯罪を認め、南京大虐殺記念館を訪れておわびした日本の元首相は村山富市氏と鳩山由紀夫氏の2人しかいない。海部俊樹氏は大虐殺記念館を訪問しただけで、歴史問題について正式の「談話」は発表していない。

鳩山氏の訪中は、すでに日本で反発を呼び、口汚い罵声が絶えない。鳩山氏が釣魚島の領有権争いの存在を認めたことは、自国メディアに「政治的譲歩」と評された。戦争の歴史についておわびしたことは、一部右翼から「絶対的誤りであり、政治的自覚を欠いている」と批判された。日本の一部ネットユーザーは鳩山氏の外交を「幼稚で愚か」「対中屈服」と批判し、「国賊」とすら呼んでいる。

これらはいずれも予想できたことだ。だが中日関係が厳しい試練に直面する今、一部の人が勇敢に立ち上がり、現実に正面から向き合い、問題解決の新たな道を探る必要がある。現実に正面から向き合う鳩山氏の勇気は東アジアの平和・繁栄・安定の長期的利益に合致するものであり、中日両国人民から支持されるのが当然だ。

鳩山氏に続き、村山富市元首相と自民党の加藤紘一元幹事長、そして公明党も訪中を計画している。これは中日の政府・民間の交流チャンネルがまだ滞りなく通じていることを物語っている。こうした一連の訪中によって、安倍政権が少しは啓発され、強硬路線からの引っ込みどころを探り、日本経済の発展に精力を注ぐよう望むばかりだ。

現在は同胞に「国賊」と見なされる恐れがあっても、将来中日関係がいくらか好転したとき、人々は鳩山氏訪中の意義をもっと深く理解できるかも知れない。

 

「人民網日本語版」2013年1月18日

 

 

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