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「音波支払い」自販機が北京の地下鉄に登場

 

北京に自動販売機にうとい人はいないが、現金を入れる不便なシステムのために使用効率が制約されている。この現実に着目し、携帯電話を使った電子決済サービス「音波支払い」を採用した自動販売機が北京地下鉄4号線の2つの駅にひっそりと登場した。来週には4号線全線の駅に設置される。北京商報が伝えた。

アリババグループの提供する電子決済サービス「支付宝」は先日、「音波支払い」を採用した世界初の自販機を発表した。「音波支払い」技術の小売業進出の第一歩だ。先週末にはすでに地下鉄4号線霊境胡同駅と魏公村駅で「音波支払い」自販機の試験稼働が始まった。

購入時には携帯電話の専用アプリを立ち上げ、自販機の案内に従い商品を選択。アプリで支払いを選択し、確認すると、センサーに近づけた携帯が電子音を発し、選んだ飲み物がすぐに出てくる。全部で1分足らずだ。

支付宝の担当者、王玉明氏によるとこれらの自販機は特別な音波モジュールを搭載しており、利用者の携帯電話が発する超音波を処理する。「自販機への音波の応用は初で、自販機の効率を高めるものだ。『音波支払い』で使う超音波はランダムに生成され、有効時間はわずか5分だ。音波に金額や口座番号の情報は含まれず、たとえ誰かに録音されてもセキュリティ上の心配はない」と説明した。

運営する北京友礼匯科技発展有限公司の江文俊氏によると、来週には「音波支払い」自販機30台余りが4号線全線の各駅に設置される。

自販機を製造する青島易触の徐海東社長によると、「音波支払い」自販機は通常の自販機と比べ、コストが約15%高くかかるが、偽札、おつり、銀行での両替、自販機運営業者の計算などのコスト問題が解決されるし、利便性が大幅に向上する。地下鉄に続き、科学技術企業や大学など受け入れスピードの速い機関にも設置する方針だ。

「音波支払い」が普及すれば、小売業にとって大きな意味を持つ。「音波支払い」はコンビニ、スーパー、デパートなどに向いており、列に並ばなくてよくなり、買物を快適にすることが期待される。「現在多くの業者がより素早く手軽な支払い方式を試み始めているが、支払いの列は依然長い。クレジットカードなどはおつりの部分を省けるが、レシートの印刷と署名に時間がかかる」。徐社長によると、スーパーへの「音波支払い」システム導入にかかる費用は数千元。しかも一回きりの投資で、スムーズな決済を支えてくれる。

 

「人民網日本語版」2013年4月15日

 

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