
世界スパコンランキングTOP500が6月17日に発表され、中国国防科学技術大学が開発した天河2号が、計算速度が世界最速のコンピュータになった。新華網が伝えた。
天河1号が世界一に輝いてから、天河2号が首位に返り咲くまでの2年半で、天河のピーク時の計算速度は5京4900兆回に向上した。中国製スパコンは計算速度の世界記録を塗り替え続けている。
中国科学技術部863計画情報技術分野「高性能コンピュータ開発」の重大プロジェクトである天河2号のコア技術の難関突破は、天河1号が登場した当時からすでに始まっていた。
スパコンの計算速度は10年ごとに1000倍のペースで向上しており、開始の遅れた中国スパコン事業には焦りもあった。中国国防科学技術大学の楊学軍学長は、「世界の発展の流れを分析した結果、我々は京級コンピュータの開発に焦点を絞り、世界スパコン発展のリードで新たな貢献を達成する決意をした」と語った。
2010年12月、天河2号のプラン制定が開始され、2013年5月に、天河2号の開発が完了した。
中国国家スパコン天津センターの報告によると、天河1号により産業グレードアップを促した多くの顧客は、間もなくさらに高い要求を出した。天河2号の登場により、大規模石油調査データの処理速度が10倍以上になり、気候の歴史的変化のシミュレーションが2000年前から2万年以上前に遡れるようになった。
2011-2012年にかけ、日本の「京」、米国の「セコイア」、「タイタン」が天河1号の計算速度を追い抜いた。
中国国防科学技術大学の王建偉・政治委員は、「計算速度の競争は、国家の総合的実力の競争だ」と指摘した。
「CPU+GPUのヘテロジニアス(異種混合)構造」は、天河1号の独創的な技術路線だ。この構造は2年余りの期間を経て、省エネ・低コスト・高集約度などの特長により、世界の主流となった。これを基礎とした上で、科学研究者はイノベーションの新たな一歩を踏み出し、天河2号に向け「新型異種混合・多態性構造」を開発。天河2号の計算速度を大幅に引き上げ、応用範囲を科学計算からビッグデータ処理などの各分野まで拡大した。米国・ドイツ・日本などの科学者は、天河が世界スパコン構造の発展の流れを再びリードすると予想した。
天河2号のさまざまな独創的な技術が、世界の注目を集めている。高速ネットワークシステム性能は、世界の商用ネットワークシステムの2倍に達する。「飛騰1500」CPUは、高安全性・高スループットのサーバーを構築する。高密度・高精度組立構造により、天河2号は天河1号と同面積で11.6倍の性能を実現する。
天河2号の廖湘科総設計士は、「『中国技術』は世界の京級スパコン水準を新たな高みに引き上げ、国産スパコンの自主制御能力を大幅に高めた」と述べた。
「人民網日本語版」より 2013年6月24日
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