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看護師不足の日本で中国人看護師が激増

 

日本社会の少子高齢化が急速に進むにつれ、日本の病院の看護・介護労働者不足が日増しに深刻化している。人材不足を補うために、日本はまずインドネシアやフィリピンなどの国と協定を結び、外国籍の看護師を導入した。しかし、言葉の問題から、非漢字圏出身の外国人が日本の看護師試験に合格する事は非常に難しい。その点、中国籍看護師は非常に有利で、試験合格率も日本人と大差はない。「新華網」が伝えた。

■難度の高い試験

厚生労働省は3月25日、2月に行った2012年看護師国家試験の合格発表を行った。経済連携協定(EPA)に基づき受け入れた311人のフィリピンとインドネシアの看護師候補者のうち、合格したのはわずか30人。合格率は9.6%で、前年度の11.3%を下回った。一方、日本人看護師候補者の全体の合格率は88.6%だった。EPAによる候補者の試験合格率の低さは、言葉の問題が主な要因だ。最大の難関は漢字である。例えば、褥瘡(じょくそう)、誤嚥(ごえん)といった単語は、漢字圏で育っていない外国人にとって難しすぎる。日本政府は2011年実施の国家試験から、EPA候補者に配慮し、試験問題中の難解な用語・表現は言い換え、疾病名には英語を併記し、全ての漢字に振り仮名をつけ、試験時間を延長するなどの特別措置を実施してきたが、効果は現れていない。

■有利な中国人

日本のNPO法人が仲介する外国籍看護師の導入は、EPAとは異なり、日本語能力の重視を特徴としている。NPOと提携関係を持つ中国医学系大学のうち、一部大学はすでに日本語クラスを開講し、興味がある学生の中から優等生を選抜している。大学卒業後、これらの優等生は日本へ行き、事前に連絡した病院で看護師助手として働きながら、日本語専門学校に通い語学能力を強化する。日本語専門学校の2年間の学費と生活費にあたる約150万-200万円は病院側が負担する。ただし、これらの学生は来日2年以内の国家試験合格が求められており、受験前に「日本語能力試験」の最上位「N1」に合格しなければならない。試験に合格した人はすぐに正式な看護師として病院で働くことができる。

■導入の制度化

日本社会の少子高齢化問題は深刻で、看護師を含む病院の看護職員不足は深刻だ。朝日新聞の調査によると、日本の看護職員(看護師、准看護師、助産師)は2011年時点で、全国で約149万5600人。一方、同時期に日本全国の医療機関が必要としている看護職員は154万1000人で、4万5000人不足している。

日本では、看護師の賃金はまずまずだが、仕事の負担が大きく、それに加えて夜勤がある。そのため、看護師資格を取得した日本人の中には、最終的にこの業界で働かない人もいる。厚生労働省の推計によると、日本が超高齢社会に入るに伴い、2025年には、日本の看護師・介護福祉師不足が90万人以上に達し、看護師を含む外国籍の看護職員が大半を占めることになるという。

長崎大学の平野裕子教授は日本滞在期間の長い外国籍看護師の問題について追跡している。平野教授の研究によると、7割の病院が外国籍看護師を導入し、将来の看護師不足の問題に対応するつもりだという。平野教授は、「日本は外国籍看護師導入の制度化を検討するべきだ。欧米や中近東地区も今後、日本と同様に高齢化社会に入るが、導入を制度化しなければこれらの地域との優秀な外国籍看護師の争奪戦を勝ち抜けない」と語った。

 

「人民網日本語版」2013年7月25日

 

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