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「中国パンの郷」――江西チワン族自治区・資渓県

 

江西省東部の辺境地区に位置し、山間部にある小さな資渓県は、小麦を生産していないので、小麦粉工場もなく、パンの生産、大消費地でもないが、「中国パンの郷」と呼ばれている。同県の人口はわずか12万6000人だが、そのうちの4万人以上が、国内の1000以上の大中都市、さらに、ロシア、ベトナム、シャンマーなどの国々にまで足を伸ばし、パンの生産や販売に従事し、年産40億元余を稼ぎ出しているのは、文字通り奇跡といえよう。

80年代、2人の県民-趙協旺氏と洪濤氏が大都市で学んだベーキング技術を利用し、資渓で初のパン屋を開くと、その店はすぐに人気を集め、県内でパン屋開業ブームが巻き起こった。県民たちがお互いに助け合うことで、パン屋の数1000軒を超え、従業員数は1万人を上回った。

ベーキング業界は、技術革新の早い業界でもあり、淘汰率の高い業界でもある。従って、今世紀はじめから、資渓のパン屋業界は技術革新と人材育成の重要性を認識し、2001年、中国初の県級のパン協会を設立した。2002年、300万元余を投資してパン研修学校とケーキベーキング技術学校を建設した。ここ数年の間に、資渓パン科学研究センター、ケーキ技術研究所が相次いで設立された。これらの新しい科学研究機関は上海、台湾、香港や日本のベーキングの専門学校、有名なケーキ屋と長期的な協力関係を結び、定期的に技術交流を行っている。毎年春節(旧正月)、清明節には、資渓ではパンのベーキングコンテストやシンポジウムが開かれている。

資渓のパン産業の年間生産額は40億元に及び、県の最大の支柱産業になっている。また、パン業界は観光業やエコ農業、不動産業などの発展も促した。資渓は名実ともに「中国パンの郷」になったのである。(構成=蔡雪雯)

 

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