現在位置: ニュース>社会
中国人の「爆買い」一番人気は医薬品 平均約10万円のお買い上げ

 

「春節(旧正月、今年は2月19日)」期間中には、中国人旅行者が大挙して日本を訪れ、高額・大量消費する「爆買い」が話題になったが、データ分析会社・ホットリンクが行った調査では、同期間中に中国人が最も買ったのは医薬品で、話題となっていた温水洗浄便座は3位、炊飯器は5位にとどまっていた。また、医薬品の平均購入額は、2010年の551元(約1万500円)から、5200元(約9万9千円)に急増している。解放日報が報じた。

日本の医薬品は使いやすさが人気の秘密

どんな日本の医薬品が中国人観光客に人気となっているのだろう?代理購入サイトで販売されている商品を見ると、それは「第二類医薬品」だ。「第二類医薬品」は、副作用などによって、日常生活に支障をきたすほどの健康被害が生じるおそれがある医薬品で、説明書に基づいて使用する必要がある。中国旅行社のガイド・孫さんによると、「漢方配合の総合風邪薬」や「龍角散」、「ばんそうこう」、「痛み止め」、「かゆみ止めの外用薬」などが特に人気という。

興味深いのは、日本医薬品が人気である理由が、良く効くことのほか、その使いやすさである点だ。昨年、日本で医薬品を購入したという方さん(女性)は、「液体ばんそうこうは、台所で水仕事をする主婦にとってとても便利な商品。かゆみ止めも塗布栓タイプで、とても使いやすい。子供用の解熱剤には、アニメのキャラクターが描かれていたり、フルーツの香りがしたりするので、子供も喜んで飲む。また、日本の漢方薬は中国を起源としているものの、そのパッケージは美しく、詳しい説明も添えられているので、便利で安心」と話す。

中国の製薬業界は「爆買い」の原因究明を

中国人観光客が海外で医薬品を「爆買い」していることに関して、上海中医薬大学付属龍華病院の史秀峰・薬剤科副主任は、「日本、韓国の漢方薬の多くは、伝統ある中国医学を起源としている。子供用の薬については、フルーツの香りがしたり、アニメキャラクターが描かれたりしたりしているというのは、今に始まったことではない」と中国にも同様の商品があることを指摘しながらも、「日本や韓国などで漢方薬が人気となり、その原料の多くが中国から輸入されている。そして、中国に比べて、製薬技術も優れており、純度や残留農薬、さらに薬の効果の面でも、優位性を誇っている」と、中国の製薬業界は一層努力する余地があることも指摘している。

さらに市場における宣伝という面においても、中国の製薬会社は日本や韓国に学ばなければならない。中国の製薬業界は医薬品を売ることだけに重きを置き、長期にわたって宣伝を行ったり、ブランド力を高めたりするという意識に欠けている。専門家は、「板藍根防感冒、雲南白薬能止血などは、中国の多くの家庭の必需品となっている。しかし、中国において国民のだれもが知っている薬は数少ない。病院や製薬会社は、共に市場のポテンシャルを発掘するほか、製薬技術の向上や宣伝に努めて、高まる市場の需要を満たさなければならない」と指摘している。

海外の薬品服用も慎重に

中国に「どんな薬にも毒がある」という言葉があるように、日本や韓国の薬も100%安全というわけではない。日本厚生労働省の統計によると、2009年から2012年の間に、風邪薬の副作用で起きる皮膚疾患と、その症状が悪化した中毒性表皮壊死症で、131人が死亡した。副作用が起きる可能性のある医薬品には、中国人観光客に人気となっている日本の総合風邪薬も含まれている。漢方薬も、むやみに使用すると、そこにはリスクが伴う。

専門家は、「日本を例にすると、漢方薬のほとんどが数種類の煎じ薬や散剤に限られており、誰にかかわらず同じ薬が使われている。中国医学では、咳(せき)だけを見ても、その原因はさまざまで、原因によって配合する薬も変わる。消費者が自分の体質を理解した上で使用するならあまり問題はないが、体質がよく分かっていないのに盲目的に使用してしまうと、逆効果となってしまう」と注意を呼び掛け、「薬品は特殊な商品。海外の商品であれ、中国の商品であれ、専門医師の指導下で使用したほうがいい」と強調した。(編集KN)

「人民網日本語版」2015年4月8日

 

人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850