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北京、フレッシュな風を取り入れる「通風回廊」を建設へ

 

北京市計画委員会による全体計画のもと、北京市は「都心通風回廊システム研究チーム」を結成、幅500メートル以上の一級通風回廊5本と幅80メートル以上の二級通風回廊を多数建設する計画だ。これらの通風回廊を建設することで、市街地全体の大気流通性を高め、市街地内外の熱交換と大気汚染物質の拡散を促進することが期待できる。現在、この研究チームは、完備された通風回廊ネットワークシステムを市中心部に構築する目的で、データ計算やルート最適化など科学的な方法にもとづき、三級通風回廊の計画を進めている。経済参考報が伝えた。

●都市計画改良の目玉となる「通風回廊」

北京市都市計画設計研究院計画研究室の何永・副室長は、「通風回廊システムを構築する主な目的は、都市密集エリアの風・熱環境を改善し、市街地中心部のヒートアイランド現象を緩和することにある。通風回廊によって『風が作られる』訳ではなく、郊外の冷たい空気がよりスムーズに市街地に入り込み、市街地の熱い『空気』がその代わりに出ていくことで、市街地の気温を効果的に下げることができる」と話した。

通風回廊の建設計画は、数年前から出されており、部分的な検討は進められてきたが、通風回廊システムの構築計画が明確に打ち出されたのは、今回が初めて。最近改正が進められている都市計画の中にも、最大の見どころとして組み込まれている。

●「煙霧拡散」をいかに実現するか

北京が建設を計画している通風回廊について、市民は、「煙霧の拡散に効果があるのでは」と大きな期待を寄せている。しかし同時に、「煙霧が周辺部に拡散するのではないか」という懸念も巷に広がっている。

プロジェクト研究チームの専門家は、この問題について、次の通り説明した。

煙霧が周辺の省に吹き込むのではないか、という問題は、あまり心配するには及ばない。市街地中心部は、大気の流動によって、汚染物質は、市街地の周辺の広い部分に拡散するほか、上空に向かっても拡散する。汚染物質はだんだんと濃度が薄まっていくため、周辺省に影響を及ぼすことはほぼあり得ない。

実際のところ、通風回廊によって解決されるのは、都市内部の問題に限られる。市街地中心部では、大気の流動性が低いために、生活や生活による汚染物質が大気中に滞る。北京が計画している通風回廊は主に、中心部と郊外の県・区との間の「大気交換」をよりスムーズに行うためのものだ。

プロジェクトチームの研究者は、西部回廊の昆玉河エリアで3カ所を選定し、実測を行った。その結果、通風回廊は、局地的なヒートアイランド現象を緩和することや、大気の流通促進、特にピーク時における大気の交換に効果があることが明らかになった。北京市都市計画設計研究院計画研究室の何永・副室長は、「実測値においても、コンピュータによる試算に基づく数値を見ても、通風回廊が一定の効果を発揮することは明らかだ」と指摘した。(編集KM)

「人民網日本語版」2016年5月17日

 

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