でたらめで勝手な抗議
程永華・駐日中国大使にとって、7日は心穏やかならぬ休日だった。10時頃、杉山晋輔・外務事務次官から電話があった。NHKによると、中国公船2隻が同日午前「日本の領海」に入り、杉山氏がこれについて厳重に抗議したという。杉山氏は7日夕方、再び抗議した。共同通信によると、夕方になり中国公船4隻が再び「日本の領海」に入った。日本の海上保安庁の巡視船による警告に対して、中国船は「中国の管轄海域での定例巡航だ」と応じた。
2日前、中国海警局の巡視船2隻と漁船6隻が、釣魚島付近の「日本の領海」に入ったことから、杉山氏は程氏を呼び出した。日本メディアは報道の中で、中国公船と漁船が初めて釣魚島付近の「日本の領海」に同時に進入したと強調した。程氏は中国側の一貫した立場に基づき、「(釣魚島は)中国固有の領土であり、(航行は)問題ない」と毅然と応じた。
日本メディアが「稀」と連呼したのは6日だ。中国海警局の巡視船7隻と漁船約230隻が、相次いで釣魚島の接続水域に入った。7日付朝日新聞は、「実効支配を狙う中国が、漁船と公船をセットにしての進入を常態化させるのではないか、と日本側は懸念する」と論じた。
中国海洋発展研究センターの郁志栄氏は7日、「釣魚島は中国固有の領土であり、その周辺海域は中国の伝統的な漁場だ。日本側の妨害により、中国の漁師は数年前、操業停止を余儀なくされた。現在多くの漁船が釣魚島付近の海域での操業を求めている。中国公船が漁師の生産と生命・財産の安全を守るのは当然だ。我々が主権・権利を行使しているわけであり、日本側の抗議はでたらめで無効だ」と指摘した。
日本は5日、中国の日本大使館を通じて、「東中国海ガス田のレーダー設置」について、中国側に抗議した。外務省は6日、公式サイトでプラットフォームの写真を公開した。外務省によると、これは東中国海の日中「中間線」付近に中国が設置している、16ヶ所のガス田開発のプラットフォームの一つだという。防衛省は6月末、この最も北側に位置する、日本側が「12基目」とするプラットフォームに、レーダーと思わしき装置と監視カメラを取り付けたことを発見した。
中国海軍軍事学術研究所の張軍社氏は7日「中国がプラットフォームにレーダーを取り付けていようがいまいが、完全に主権範囲内のことだ。日本には干渉する権利がなく、日本にも影響を及ぼさない。むしろ日本の艦艇・航空機が頻繁に中国の正常なガス田開発作業に干渉し、さらには中国の浙江省や福建省の近海で偵察を行っている。彼らは今、中国が東中国海を軍事化させていると批判しているが、これは責任をなすりつけているのではなかろうか」と述べた。
中国の意図に関する憶測
中国への抗議を繰り返しているが、中国がこのような行動に出た原因について、日本政府は確たる説を打ち出していない。多くの日本メディアは、日本政府の南中国海における姿勢と関連付けている。毎日新聞は、中国の釣魚島における抗議活動のエスカレートは、中国に南中国海仲裁案の結果を受け入れるよう日本が再三要求していることに対する抗議だと分析した。時事通信は、日米などが中国に南中国海の主権を全面的に否定する裁決結果の受け入れを強いていることから、中国は対策を講じざるを得ないと報じた。中国外交部の報道官は日本を厳しく批判した際に、さらに歴史問題を取り上げ、「日本は当事国ではなく、恥ずべき歴史もあり、いちゃもんを付ける権利はない」と述べた。
また中国には東中国海情勢を「既成事実化」し、日本への圧力を強める計算があるという憶測もある。日本の一部メディアは、日本の釣魚島に対する実効支配を瓦解させ、海の勢力範囲の拡大を早期推進する狙いがあるとした。
新任の防衛相を念頭に置いたものか――ドイチェ・ヴェレは7日、中国の行動は、日本の稲田朋美防衛相を念頭に置く可能性が分析されていると報じた。日本メディアは、内閣改造の「右傾化」、中国の海洋活動を批判する防衛白書により、中国は安倍政権の中国への態度に不満を持ったと論じた。
これらの憶測はいずれも裏付けを得ていない。日本問題専門家は7日、アル・ジャジーラに対して「これは中国側の伝統的な注意の手段だ。中国は大規模な係争を制御可能な小規模な係争に分散しようとしている。そのため覇者・米国に協力すれば犠牲を強いられることになると日本に注意した」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月8日 |