岡田紘幸=文・写真
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中国に新たな車文化や技術を紹介しよう、と各ブース意気込む |
上海にて世界各国から集まった改造車(カスタムカー)を紹介展示するイベント「2011中国・上海カスタムカー展覧会(CHINA AUTO SALON)」が10月5日~7日、上海市西北部の安亭・汽車会展中心で行われた。安亭は自動車産業が特に盛んなエリアで、2004年から毎年F1(エフワン)中国大会を行う会場「上海インターナショナルサーキット」で有名な地区。車の展示会は上海各地でも毎年数回行われるが、今回は「改造車」を全面に出した初めての大規模イベントとなった。車好きな30代から50代の中国人男性をはじめ、3日間でのべ3万人の入場者が国慶節期間中に訪れ、個性豊かな車を興味深く見て回った。
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ステージの改造車ショーに集まる来場者 |
会場外の展示にも大勢の人、中国人の車に対する関心の高さをうかがわせる |
会場は改造車やチューニングパーツ、タイヤ・ホイールほか関連製品のブースが大小90社ほど並んだ。中央館ではステージ車ショーや抽選会なども行われ、来場者を楽しませていた。日系企業も今回、17社が参加。上海市内に店舗や事務所などを構える会社を中心に、自慢の改造車やパーツを展示した。日本の車改造の技術を中国で普及させるために今年、会社を設立した耶里芙貿易(上海)有限公司の森島義裕総経理は「中国の車の改造レベルは、日本の30年前くらい。いま車社会が中国で浸透し、これから自分オリジナルの車文化は来るはず。製造・改造・修理において日本の技術者を呼び、高い技術文化をこれから中国で広めたい」と意気込んでいる。
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谷口信輝・レーシングドライバー |
改造車に花を添える中国人女性モデル |
日系企業も競って個性的な車の展示が目立つ |
また車の改造用部品を製造するエッチ・ケー・エス(HKS)は、有名レーシングドライバーの谷口信輝選手が日本から駆けつけ、サイン会など行った。他にも日系企業ブースでは、東京国際カスタムカーコンテストの最優秀賞作品など、来場者の目をくぎ付けにしていた。タイヤのホイールを中心に中国各地で販売展開をする愛魅翼(上海)貿易有限公司の中嶋恭一郎海外市場総監は「改造のかっこよさを伝えていければ」と語る。「今回の初開催はすべて本物にこだわり、その思いを出展者にわかって頂きました。各ブースの展示完成度が高く、来場者も多く、大成功ですね」と同展覧会の日本人事務局・東谷敬子氏。最先端の改造車の魅力を中国で、十分に伝える舞台となったことは間違いない。
人民中国インターネット版 2011年10月10日
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