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震災後の日本を見て
地方政府対外宣伝幹部が所感
 

ネオンが消えた銀座 

陶俊培 四川省人民政府新聞弁公室ネット管理弁公室副主任

日本は初めてですし、東日本大震災と福島原発事故に見舞われたばかりなので、今回の訪日前はちょっと不安でした。私たちは相次いで東京、神奈川、京都、奈良、大阪などを訪れ、福田康夫元首相と一部の地方政府を訪問し、また、共同通信社などのメディアも訪れ、一部の日中友好民間組織と座談会を行いました。大震災や原発事故が発生した間に、中国政府と国民から支持と援助を受けたことに、日本政府の関係する責任者が感謝の意を表明しました。

東京の新宿や銀座がにぎやかだということは、早くから聞いていました。25日夕食後、私たち一行は新宿と銀座へ夜景を見に行きました。オープンしている店があまりなく、ショッピングする人もそれほどいませんでした。多くのネオンが消えて、電力不足の消費に与える影響が見て取れます。その後地方政府機関を訪れたとき、政府が率先して節電し、エアコンは基本的に付いていませんでした。しかし、スーパーや地下鉄などの民生施設は、エアコンが付いていました。

 

美しい日本の海岸線 

耿占坤 青海省人民政府新聞弁公室 

東日本大震災や津波、原発事故がなければ、今回の日本訪問をこれほど重視しなかったかも知れません。しかし、今回の大災害と苦難を経験した日本社会と民衆の真実の生活を、自らの目で見たかったのです。日本にとっては、国難と言えるでしょう。

私は生まれて初めて、地図や映像ではなく、現場で日本の海岸線を見ました。広々とした太平洋に、日本列島はまるで水面に浮いている美しくしかも脆弱な珊瑚のようでした。感動的な美しさをもったその上に大自然の力で傷を残しました。日本列島は自然の寵児であり、また自然の虐待の対象ともなったのです。

福田康夫元首相は私たちと会見した時、真心を込めて感謝の意を表しました。「東日本大震災発生後まもなく、しかも原発事故の危機がいまだ解かれず、外国人が激減した状況の下で、貴方たちが平然と日本を訪れてきたことは、深い友情と信頼の証です。心から感謝しています。真実の日本を見てください」と、語りました。

東京は私の想像より質素で、静かでした。私が最初当惑したのは、1000万人以上の人口を擁したこの大都市に、人間と自動車がどうしてあまり見かけられないのかということでした。高いところへ登り、遠くを見渡した時、この都市は想像していたほど近代的ではないと感じていました。高層ビルが林立し、市内の建築物の密度が極めて大きく、道路や街は狭くて規則的ではない。数100年の歴史を持つこの都市では、大規模な近代化的改造はあまりなされなかったようです。しかし、この都市は隅々まで清潔で、秩序正しいと感じました。

神奈川県黒岩祐治知事(左から2人目)を訪問

大震災や原発事故については、あまり話題にのぼらないし、公共の場にもそれに関するスローガンも見かけませんでした。地震と関係があると感じるのは東京ないし日本全国で節電をしていることです。例えば、一部の公共のエレベーターが止まり、室内のエアコンはすべて室温2度上げられています。室温が高いので、公式訪問時に背広やネクタイは必要がないと前もって告げられ、これは私にとっては嬉しいことでした。案内してくれた日本の友人に、普通の家庭でも室温をコントロールしているのかと聞いたら、「もちろんです」という返事でした。失礼な質問だったと恐縮に思いました。

 

人民中国インターネット版 2011年12月

 

 

 

 

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