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中国語版『絵本 窓ぎわのトットちゃん』出版

 

 

新刊発表会で祝辞を述べている白石光行・講談社北京文化有限公司総経理

 

発行部数800万部のロングベストセラーが絵本になり中国へ 

 

1月10日、中国語版『絵本 窓ぎわのトットちゃん』(1、2巻)の新刊発表会が国際交流基金北京日本文化センターで行われた。

日本国内では1981年に発売が開始されてから、単行本と文庫本とを合わせて、累計800万部が発行された『窓ぎわのトットちゃん』は、「戦後最大のベストセラー」と称されている。2014年に講談社が同書の絵本を出版し、2015年1月には北京颶風社文化有限公司が簡体字中国語版を出版した。

 

表紙

 

 

「トモエ学園」の地図

 

 

『窓ぎわのトットちゃん』は、自らを「トットちゃん」と呼んでいた著者黒柳徹子さんの小学生時代を描いた「実話のフィクション」。絵本では、原書のハイライトと共に、黒柳さん自らが選んだ画家・絵本作家のいわさきちひろさん(1918-1974)の110点のイラストも収録されている。また、「トモエ学園」の地図も初めて公開され、第2巻には黒柳さんの新しい原稿も載っている。

 

トモエ学園での教育方針に大いに感動した中国読者

 

 

児童文学作家・北京大学中国語言文学部教授曹文軒氏(中央)と中国語版『窓ぎわのトットちゃん』翻訳者の趙玉皎さん(右)が『絵本 窓際のトットちゃん』について語り合っている

 

 

新刊発表会当日、中国の著名な児童文学作家であり北京大学中国語言文学部教授でもある曹文軒氏と中国語版『窓ぎわのトットちゃん』翻訳者の趙玉皎さんがそれぞれスピーチをして、なぜこの本が十年間も中国の子どもたちに愛され続けられるかなどについて、読者たちと活発な交流や討論を行った。

曹教授は「この本の『主人公』は実は『教育』です」と述べ、トモエ学園での教育方針が中国の現在の教育制度への反省と熟考を促し、中国読者の共鳴を引き起こしてくれたと述べた。また趙さんは「純粋さの力」を強調し、作品そのものにせよ著者や絵本作家自身にせよ、一種の「純粋さ」が輝いているからこそ読者に感動を与え続けられると話した。

 

読者の質問を答えている猿渡静子・北京颶風社文化有限公司理事長 質問している4歳の読者

 

黒柳さんは「みなさまがトットちゃんを読んで、どんな子どもも一緒に手をつないで生きていくんだということがお分かりいただければ、ほんとに嬉しく思っています」と新刊発表会へ寄せた手紙に書いている。

中国では『窓ぎわのトットちゃん』が2003年に簡体字中国語に翻訳、出版されて以来、累計800万部近くを発行している。また、12年間連続して全国図書ベストセラーチャートにランクインしており、すでに小学校の国語教材に採用されている。(文・写真=孫雅甜)

 

人民中国インターネット版 2015年1月11日

 

 

 

 

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